今夜は「情熱大陸」(毎日放送)で佐渡トキ保護センターの獣医、金子良則さんを紹介する。
以下、番組案内。
《学名ニッポニア・ニッポン。特別天然記念物のトキを飼育・繁殖しているのが「佐渡トキ保護センター」。金子はそこに20年勤めるトキ専門の獣医だ。トキはかつて日本のどこでも見られる鳥だったが乱獲により日本産トキは絶滅。最後の1羽を看取ったのが金子だった。
12 年前中国からつがいを譲り受けて繁殖に乗り出し、日本初の人工孵化を成功させたのも金子。まさにトキの歴史の「生き証人」だ。金子の悲願はトキの野生復 帰。3年前から金子が育てたトキを野外に放鳥、今では佐渡の空に30数羽のトキが舞う。そして今年こそ、と期待されるのが野生下での初のヒナ誕生だ。4 月、その悲願達成が間近となり金子は孫の誕生を待つかのように静かにその知らせを待っていた。そこに思いもよらぬ事態が――》
トキは日本以外に、中国、朝鮮半島、シベリアなどにも生息していたが、ロシア、朝鮮半島でも絶滅したようだ。
中国のトキも日本産とDNAは全く同じで、譲り受けた2羽からはじめて、いまでは150羽以上に増えている。本州まで飛んでいったものもあるが、佐渡には30数羽が野生で生息している。もし、放鳥したトキからヒナが育てば、野生での繁殖ということになる。
いったん絶滅した動物が、人間の手で野生に蘇えるというのは、すごいことだと思う。
ただ、番組でも分かるように、なかなか難しいようだ。
番組で、金子さんがこういう。
「トキが(野生で)生きてるってことは、人間のありようっていうか、ちょっと人間も手加減すべきだと思う。
ネオンなんてなくたっていいんだし、コンビニだってそんなんに夜やってる必要ないし・・」
福島原発事故を経た今、この言葉は、とても説得力を持って聞こえてくる。
トキはドジョウなど、田んぼの小動物を餌にしている。
佐渡では、トキが蘇るようにと、農薬の使用を抑える運動が広まり、「農薬・化学肥料不使用の不耕起栽培米 トキひかり」という米も売り出されている。
トキの野生復帰への願いから、人間の営みを見直そうという機運が、佐渡全体で盛り上がっていることに感銘を受けた。
はやく「野生のヒナ誕生」の朗報が聞きたいものだ。