意外に広がっている土壌汚染

三月に安全唱えし識者らはいずこに消えしか泡(あぶく)のごとく    

名古屋市 諏訪兼位 朝日歌壇より) 

実は、知らされているよりももっと大変なことが起きていました・・という情報が毎日のように出てきて、ニュースを見るのがこわい。
先日、意外だったのが、神奈川県の南足柄市のお茶に放射性セシウムが検出されたニュースだ。
南足柄はもう箱根の近く。測ってみると福島第一原発から南西に290キロもある。
土壌汚染のひどいのは原発の北東方向の地域だろうと思っていたのだが、その思い込みをひっくり返された。
続いて、神奈川県内の他の地域のお茶からも検出されている。
南足柄市などで生産された「足柄茶」から、国の暫定規制値(1キロ当たり500ベクレル)を超える放射性セシウムが検出された問題で県は13日午後、さらに2町でも規制値を超える放射性セシウムが検出されたと発表した。全生産地16市町村のうち、規制値を超えたのは6市町村に上った。(略)
 一方、規制値を下回った10市町の足柄茶は出荷を再開する。生産量は昨年(約120トン)の約6割になる見込み》(毎日新聞
打撃を受ける農家が増え続けている。
この分では、東京の野菜からセシウムが出てもおかしくない。
チェルノブイリ事故のあと、土壌汚染の分布に規則性を見つけるのが非常に困難だったことを思い出した。非常に放射線値の高いいわゆるホットスポットが、まだら状というよりまさにスポット=点のように分布していたのだ。
福島の事故による土壌汚染地域が、予想以上に広いことも明らかになった。
福島第一原発事故放射能に汚染された地域は、チェルノブイリ原発事故の強制移住対象レベルだけで、約800平方キロに上ることが分かった。東京都の面積の約4割、琵琶湖の約1.2倍に相当する。(略)
汚染地図は、文部科学省と米エネルギー省が4月に約150〜700メートル上空から、土壌など地表1〜2キロ四方で放射性物質の蓄積量を測って作った。
 この地図によると、半減期が約30年のセシウム137の蓄積濃度が1平方メートルあたり60万ベクレル以上に汚染された地域は約800平方キロメートルに及んでいた。この地域はほぼ、警戒区域計画的避難区域と重なる。チェルノブイリ原発事故で、強制移住の対象になった55.5万ベクレル以上の地域の約10分の1にあたる。(略)
福島第一原発の事故では、37万〜63万テラベクレル(テラは1兆倍)の放射性物質が放出されたと、原子力安全・保安院原子力安全委員会が推計した。大爆発によって原子炉が壊れたチェルノブイリ原発事故の1割ほどに相当する。
 海や山への汚染も深刻だ。東京電力によると、高濃度汚染水が4月1日〜6日に520トン流出、放射能は4700テラベクレルに上る。現在も40キロ沖合でセシウムヨウ素が検出される。タケノコやシイタケ、山菜からは基準を超えるセシウムが検出されている》(Asahi.com11日)
チェルノブイリ取材の映像素材は先月10日のフジテレビの放送(Mrサンデー拡大特番)で一部使用されたが、もっと紹介したいと思い、いくつかの報道番組に売り込んだ。
だが、良い返事が返ってこない。
福島の事故の被災者に、「自分の子どももがんになるのでは・・」などと不安を煽ることになりかねないからだという。
しかし、いま福島で起きている事態は、どんどんチェルノブイリに近づいているのではないか。チェルノブイリの事故から25年、成功も失敗も含めて教訓として学ぶべきではないか。
テレビ番組がのってこないなら、私の会社のHPで動画で見られるように、編集することに決めた。
あと1週間ほどお待ちください