全国のお坊さんは被災地へ

takase222011-04-29

資金繰りに何とかメドがついて、心にちょっと余裕のある月末である。
きょう、久しぶりに散歩に出たら、一斉にいろんな花が咲いていて驚いた。近所のつつじ、花みづき、こでまりは満開、そして早くも、卯の花が咲きはじめている。(写真)
春うららの花の世界にひたってから、さてと新聞をみる。うーんとうなりたくなる記事ばかり並ぶ。
きのうの朝日夕刊一面に「震災後失業7万人−岩手・宮城・福島3県」という見出し。この数字は、失業手当の受給手続きを始めた人だけで、被災地に多い農家や漁師ら個人事業主の失業者は入っていない。
漁業がとくに深刻だが、東北漁業が今の壊滅状態から立ち上がるには、これまでとは相当違ったやり方を採るしかないだろう。例えば、北欧のように、漁師が協同組合を作って最新大型漁船を持ち運用するなどの方策も検討したらよいと思う。これについては、あらためて書きたい。
東北被災地の生活再建は、すべての産業にわたって、個人の資産や発意ではとうていできない。
政府のすばやく強力な方向付けと大胆な予算措置が不可欠なのだが、菅政権はどこまで自覚しているのか。この機会に日本の産業構造を転換する覚悟で取り組めば、次の輝かしい時代へのステップにもなれると思うのだが・・。
震災から「49日」のニュースでは、お寺で法要を行っている写真が載った。
お寺でやれるところは、たぶん、被災地のごく一部だろう。
先日、岡野守也さんが「いまこそ、全日本仏教会が、全国の僧侶に被災地にボランティアで馳せ参じろと号令を出すべきではないか」という発言されていた。なるほどそのとおりだと思う。
何箇所かの被災地で、仮埋葬のため多くの棺が埋められたとき、自衛官らが並んで敬礼していたが、むしろ、たくさんのお坊さんが送る姿こそふさわしかった。
いま、死者1万4600人、行方不明1万1000人。
この大災害の前には、目の前の遺体が、自分の檀家、宗派かどうかなどと考える必要もない。
お弔いは、残された人々がしっかり生きていこうという気持ちを整えるための大事な儀式だ。まず現場に行って、手を合わせ、地域の人々と気持ちを通わそうという気持ちが大事なのではないか。
全日本仏教会」のHPをみると、28日に全国のお寺で鐘を一斉に鳴らしましょうと呼びかけたりしている。
また、「僧侶による被災地支援ボランティア結成のお願い」を掲載しているが、その中身はこうだ。
全日本仏教会は3月23日に各地域での葬儀の「ならわし」を尊重いたしたく、被災された地域と近隣地域の僧侶に対して、読経ボランティアの組織結成をお願いいたしました。
 まずは、地域の「ならわし」を共有される僧侶が集まり、次に他県のボランティア僧侶に「ならわし」を伝え、さらには一日も早く故人の宗旨で葬儀ができるようになることを強く支援してまいります。
 また、読経ボランティアだけでなく被災された寺院のお堂の片づけや、飾り付けは僧侶でなければできません。被災地の僧侶達はお檀家さんのお弔いや近隣住民の方々への支援などで、お寺のことは後回しになっております。寺院の住職や副住職が一日も早く、いつもどおりの法要ができるように修繕することも大事なボランティア活動だと思いますので、被災地以外の僧侶の方々も是非ご一考下さい。》
これは、早くそれぞれの宗派で、正常な葬儀ができるようにしましょう、お寺もきれいに復興させましょうということではないか。「ならわし」が「なわばり」に読めてしまう。
死者1万4600人、行方不明1万1千人。
この現実を前に、宗教者としての「気持ち」、「熱」が感じられない。
お弔いのほかに、家族や友人を亡くした人々、いまも遺体をさがしている人々へのグリーフケアも重要な仕事だろう。
僧侶は本来「心の医者」であるはずだ。
被災地にとびこんで活動してこそ、お坊さんも日本仏教も鍛えられるのではないだろうか。
26日のブログで、郡山市が学校などの表土を削るプロジェクトを紹介しつつ、除去した土の処分に疑問符をつけたが、さっそく問題化している。処分予定地の住民が反対しているという。
《福島第1原発事故で、高い放射線量が測定された小中学校などの校庭の表土除去を始めた郡山市は28日、除去した土をそれぞれの校庭で一時保管することを決めた。埋設する予定だった埋立処分場の周辺住民が反発したためで、理解が得られるまで搬送しない。除去作業は今後も予定通り行い、来月8日に終える。
 埋設処理を予定した市郊外の河内埋立処分場は、民家から約2キロ離れているが、27日夜に周辺住民を対象に行った説明会で「放射能の高い土を持ち込まないでほしい」「国の処分指針が決まってないのに率先してやるべきでない」などと反対意見が相次いだ。
 市によると、28日に国から校庭などで一時保管するよう指示があったという。市は、放射性物質が飛散しないように、のり面などを固める凝固剤を吹き付け、ブルーシートや土のうで覆って保管する。理解が得られれば処分場に搬送するが、国の処分指針が示されれば、その方針に従って処理する》(河北新報
汚染された土地の処理はとても難しい。
堀江貴文氏の裁判については次回書きます)