上勝町のなっちゃん、葉山町へ

takase222009-07-22

きょうの朝日新聞「ひと」欄に、懐かしい人が紹介されていた。松岡夏子さん(27)だ。
去年のブログでも書いたが、上勝町のマドンナだった。http://d.hatena.ne.jp/takase22/20080521
記事にはこうある。
徳島県上勝(かみかつ)町でごみリサイクルを実践するNPO法人事務局長から、神奈川県葉山町のごみ減量担当の臨時職員になった。山から海の町へ。ごみつながりの転身だ。
町外へのごみ排出ゼロが目標の上勝町は、生ごみはすべて堆肥にし、他の6〜8割はリサイクルに回している。人口が17倍、3万3千人の葉山町では5年間でごみ半減をめざす。「ごみが資源と実感できる仕組みが整えば無理な数字ではない」》
環境・ごみ問題は、「一人ひとりの心がけ」ではなく、きちんと《仕組み》を作るという問題としてアピールしている。
彼女は大学1年のときから香川県・豊島(てしま)の産廃不法投棄現場に十数回通い、その後デンマークに留学して環境問題を学ぶ。大学卒業後、05年から3年間、上勝町が公募したNPO法人職員に。去年、大学院で自治体のごみ政策を研究していたが、「現場の魅力には勝てず」、この5月から葉山町に勤務しているという。
葉山町は昨年5月、近隣2市と広域ごみ処理施設を建てる計画から離脱した。生ごみの堆肥化や資源ゴミを厳密に分別する50〜100世帯のモデル地域を数カ所設ける。「閉塞感のあるごみ政策が多い中、ごみゼロへの試みは未来に明るさを感じさせる。生活も生き方も前向きになる」と笑顔で語る》
日本ではいま、大規模焼却施設を中心にする広域処理施設がどんどん推進されている。最近、高温で燃える燃料に適しているとして、ペットボトルを燃やす自治体が増えているのもこれに関係している。休まずに燃やし続けなくてはならないため、かえって大量のごみが必要になる。これでは、ごみを出すことを奨励することになる。これは世界の趨勢に逆行している。
今でも、「ごみゼロなんて夢物語」と見る人は多いし、政策にしている自治体は非常に限られている。なっちゃんのような本物がもっと登場して、たくさんの自治体から「ごみゼロ」の運動を盛り上げてほしい。
ところで、今回の衆議院選挙では「景気対策」ばかりが先行して、環境政策が前面に出てきそうもない。環境問題をどう扱うかもマニフェスト比較のポイントにしたい。