ハチドリよりスウェーデンの道を

takase222008-07-20

横田夫妻を支える有志が「あさがおの会」という会を作っているが、横田めぐみさんはあさがおが好きだったという。この花を見ると、自分が小さい頃の夏休み、朝の涼しさの思い出が蘇ってくる。
環境ジャーナリストの佐藤由美さんに、「ハチドリ」の話をしたら、即座に「それじゃだめですよ」との答えが返ってきた。
家庭でこまめに電気を消すのは、やらないよりやった方がいいけど、電力使用量の圧倒的な部分は企業だし、CO₂削減のためには、国の政策を大きく変えるのが先決だという。
また、新しい科学技術の開発も、国の政策の方向付け次第だと指摘する。
また、『持続可能なまちは小さく、美しい』にこんなエピソードが載っている。
上勝町にある月ヶ谷温泉で、従来の重油ボイラーから木質バイオマスのボイラーに転換しようとした。環境への負荷が少ないし、何より地元の間伐材や端材、ダム流木などを利用できる。ところが適当な日本製がなく、高価な外国製の機械を購入せざるを得なかったのだ。
自然エネルギーを推進しようとしない国に迎合して、日本企業が利用機器の開発を怠ったため、上勝町ではオーストリアからチップボイラーを輸入しなければなりませんでした。》(本より)
初期投資が高額になるため、財政規模の小さな上勝町では、他の施設でのバイオマスへの転換はあきらめた。
個人住宅で薪ストーブを使うのが少しづつブームになっているが、これもヨーロッパ製が多い。需要がなければ技術は開発されないし、需要は国の政策に方向づけられる。日本は科学技術の高い潜在力があるのだから、国が本気で環境重視政策に切り替えれば、多くの分野でナンバーワンになれるはずだ。
そして、日本の国づくりで見習って行きたいのは、北欧、とくにスウェーデンだ。
(つづく)