持続可能な町は・・・3ごみ焼却大国日本

いま、上勝町に続いて「ゼロ・ウェイスト宣言」を目指す自治体が出てきている。東京都の町田市もその一つだ。人口40万人超の町だから影響は大きい。町田市では3月14日から半年間、あるスーパーのレジ袋を廃止する実験を行なっている。
《町田市は、スーパー「三和」(小山克己社長)と市民団体と連携し、14日から約半年間、同社の「小山田店」(同市小山田桜台)でレジ袋廃止実験に乗り出す。経済産業省によると、レジ袋の有料化はこれまで実施されているが、廃止実験は全国初という。(略)市民団体「町田発・ゼロ・ウェイスト宣言の会」(広瀬立成代表)からの要請で実験を決めた。》(産経)ここに登場する「町田発・ゼロ・ウェイスト宣言の会」のホームページに、ごみ問題とは何かが書いてある。
《今日、日本ではごみの焼却は、ごく当然なこととして受け入れられていますが、世界では決して焼却中心のごみ政策が行なわれているわけではありません。全世界の焼却炉の2/3が集中し、その数が1800基以上に上るという日本では、毎年、2兆3000億円という莫大な税金がごみの処理に使われています。リサイクルされるごみはわずかに14%で、86%は焼やされるか埋め立てられてしまうのです。しかも、このことによって、大気、水、土壌は汚染の度合いを深め、温暖化が加速されます。》
http://www.geocities.jp/machida_zerowaste/home/home.html
ごみ問題は町の美化のために取り組むというなまやさしい話ではない。廃棄物処理は青息吐息の自治体財政を圧迫する一大要因であり、日本の温暖化ガスの増加率が最も高いのがごみの焼却である。
ごみの焼却では日本が世界のナンバー1で、世界の焼却炉の3分の2が日本にある。ダイオキシン騒動で、恒例の焼き芋大会が中止される一方で、焼却炉がどんどん高温で高性能なものとなり、その熱で発電までしている。
政府は、この「廃棄物発電」は《発電に伴うCO2等の追加的な環境負荷がない》、つまり、どうせ燃やすものだし、それで発電までできるなら一石二鳥だとして、全面推進の立場だ。数値目標まで作って、将来増加させていくという。http://www.enecho.meti.go.jp/energy/newenergy/newene06.htm
こうした高性能大型炉は常に高温を保たねばならず、燃料つまりごみを絶やすことができない。ごみはたくさん「必要」なのだ。減っては困るのである。
それに、高温で燃えるペットボトルは燃料として最適で、多くの自治体では生ごみと混ぜて燃やしている。我々が善意できちんと分別して出したごみは、運ばれた先でまた混ぜられるのだ。
(つづく)