ゆうべ赤坂のホテルで、サンデープロジェクト20周年のパーティがあった。
森喜朗、中川秀直、菅直人、中川昭一、石原伸晃その他の閣僚経験者が挨拶したほか、司会とカメラが会場を回って枝野幸男、福島瑞穂、鈴木宗男、穀田恵二ら著名政治家にマイクを向け、前方の大スクリーンにインタビューを映す。乾杯の音頭は土井たか子。安倍晋三まで遅れて顔を見せた。
会場でスポーツライターの二宮清純さんや弁護士の紀藤正樹さんにしばらくぶりでお会いする。みな「すごい顔ぶれのパーティですねえ」と驚いていた。私はパーティは苦手なのだが、いいところは、ご無沙汰している方にまとめてご挨拶できることだ。
大谷昭宏さんが挨拶で、「サンデープロジェクトが元気なうちは日本は大丈夫だ」と言った。私たちは特集コーナーだけのお付き合いだが、他の番組ではとてもできない企画をやるという点でこの番組はとても貴重だと思っている。
すでに8回放送された特集「言論」シリーズもそうだ。
これは06年3月に3回シリーズではじまった。サンプロホームページをみると第一回の特集予告ではこう書いている。
《シリーズ「言論は大丈夫か」/「ビラ配り」逮捕と公安/〜拘置75日間の背景〜
今、日本の言論が、大きな岐路を迎えようとしている。
そして、多くの国民はそのことに気づいていない…。
サンプロはそうした思いのもと、3回シリーズの特集で、日本の「言論」が置かれた危機的状況を伝えて行く。
その第1弾が、「ビラ配り逮捕と公安警察」。
ここ1、2年、政治的な主張を書いたビラを入れただけで「住居侵入」として逮捕され、75日間、23日間など長期間にわたり警察に拘置されるという事件が相次いで起きている。なぜこうした事態が続いているのか?》
取り上げられたのは、いわゆる立川ビラ弾圧事件(立川自衛隊宿舎に市民団体がイラク戦争反対のビラを配って逮捕された事件)である。「中国か!」と言いたくなるとんでもない言論抑圧だと思うが、他のメディアではあまり大きく扱われていなかった。いまこの事件は最高裁で争われているが、有罪になりそうだ。
私たちが関わった特集で思い出深い放送の一つに、朝鮮総連系金融機関の朝銀(朝鮮信用組合)破綻を扱った特集がある。「北朝鮮と金」のテーマだけに、取材・放送への圧力はすさまじかった。放送直後には弊社(ジンネット)が抗議団に取り囲まれ、某ネットサイトには取材したディレクターと私の名前が出された。(ディレクターは顔写真まで出た)
番組がそれだけ痛いところをついたのだろう。連日、総連の抗議団がやってきたほか、電話・ファクス・手紙やハガキが殺到した。抗議ファクスだけで200通を超えた。組織的な動員で、どれも内容は「番組放送でチマチョゴリが切られたりしたら、どう責任を取るんだ!」と同じだったが、1週間ほど仕事にならない日が続いた。
普通、抗議はテレビ局だけにいくものだが、ジンネットは「札付き」だったので、むしろこっちが標的になったようだ。光栄である。「問題作」は困難だがやりがいが大きい。
サンプロには、これからも「問題作」をどんどん放送してもらいたい。