朝鮮学校の無償化論議に思う2

きょう、子ども手当と高校無償化の両法案は衆院本会議で、与党3党と公明、共産両党などの賛成多数で可決し、参院に送付された。年度内に成立する見通しだという。朝鮮学校への無償化措置適用は、当面見送られた。しかし、こういう問題は、なし崩しにされやすいので要注意である。
十年ほど前、大した議論もなく、総連系組織に巨額の公的資金が投入されたことがあった。総連系の金融機関「朝銀」(朝銀信用組合)が破綻したときだ。投入された公的資金は1兆4千億円を超えた。関係者はだれも責任を問われていない。
総連への不正融資、架空名義や借名口座の存在、そして北朝鮮への不正送金・・・と組織ぐるみのさまざまな疑惑のあった朝銀など、救済すべきではなかったのだが。http://chogin.parfait.ne.jp/
2000年4月と01年12月、ジン・ネットはサンプロで《徹底追跡「北朝鮮送金疑惑〜血税1兆円投入!?朝銀破綻の真相」》という特集を制作・放送している。某所からテレビ局に放送中止の圧力があって放送が延びたり、そのことが週刊誌に書かれたり、放送後、総連から猛烈な抗議行動をかけられたりと、すったもんだがあった。後にも先にも、朝銀を正面から扱ったテレビ番組はサンプロ特集しかなかった。
以下に番組内容を掲載しているので、関心のある方はご覧下さい。
http://www.jin-net.co.jp/sakuhin6.htm
放送後、ジン・ネットには、抗議の電話、手紙、ファックスが殺到し、ファックスだけで200通あった。抗議団も連日押し寄せた。4名から7~8名の集団が朝から夕方までピンポンして面会を求めてきた。その中のいくつかは、朝鮮学校の教職員グループだった。
彼らは私にこう言った。
「あんた方の報道で、朝鮮学校の女生徒の制服が切られたら責任を取ってもらう」
実は、抗議のファックスや手紙、電話などいずれも判で押したように、チマチョゴリ事件が起きたらどうするんだと書いていた。
いたいけな子どものチマチョゴリを心無い日本人が切る・・・総連はマスコミに対し、この構図を出して脅してきた。これは総連の指示に違いなく、北朝鮮への批判的な報道に尻込みさせることに大きな効果があった。
(もっとも、チマチョゴリ事件が多発したことは証明されておらず、疑問視する人も多い)
本来は民族同胞の共有財産だったはずの朝鮮学校は、朝銀の不正融資の担保にも使われ、錬金術のように生み出されたお金は将軍様の資金源になったとみられる。核・ミサイルの開発資金、対日工作にも使われたことだろう。
朝鮮学校とは、朝銀などとともに、いわば総連の下部組織であり続けてきた。単なる「民族の言葉と文化を学ぶ場所」では決してない。
総連は、高校無償化措置の朝鮮学校への適用に組織を挙げて取り組んでいる。
いま、テレビのインタビューや新聞の読者の投稿欄では、「国交がないからといって、子どもたちの学ぶ権利を差別してほしくない」という、よく似た意見をひんぱんにみる。私には「チマチョゴリが切られていいのか」というあの感情的で、押し付けがましいキャンペーンがそれにダブって見える。
(つづく)