拉致国際会議のレセプションにて

12月10日から16日までは「北朝鮮人権啓発週間」だ。この週間は去年からはじまり、期間中に各地で様々な行事が行なわれる。初日のきょうは、「第2回拉致の全貌と解決策国際会議」(家族会、救う会拉致議連主催)があり、5か国の拉致被害者と救出団体が参加した。
韓国からは、李美一:朝鮮戦争拉致被害者家族協議会代表
金ソンミン:自由北朝鮮放送代表、脱北者同志会前会長
米国からは、鄭英和:2000年に北朝鮮に拉致された金東植牧師夫人(11月14日の日記に登場)
タイからは、バンジョン・パンジョイ:拉致被害者アノーチャー・パンジョイさんの甥
ルーマニアからは、ガブリエル・ブンベア:拉致被害者ドイナ・ブンベアさんの弟が参加した。
そして国内参加者は、家族会から横田滋・早紀江、飯塚繁雄、有本明弘・嘉代子、増元照明の各氏のほか、ジャーナリストの櫻井よしこ氏、中山恭子首相拉致担当補佐官、齋賀富美子外務省人権担当大使、惠谷治救う会拉致問題プロジェクト委員、真鍋貞樹「特定失踪者問題調査会」専務理事、平沼赳夫議連会長、佐藤勝巳「救う会」会長ら錚々たるメンバーが勢ぞろいだった。
そして、その国際会議の場で、5カ国による「北朝鮮による拉致解決国際連合」の結成が決まった。残念なのは、週間も行事もほとんど知られていないことだ。もっと宣伝しないといけない。
私は夜のレセプションにだけ出た。このごろ、家族会の皆さんにお会いするたびに、お歳を召されたなあと感じる。特に有本嘉代子さんがやつれて一回り小さく見えた。80歳を過ぎて、いまだに活動し続ける姿を見ると、申し訳ない気持ちになる。
政治家が20人くらい来ていた。ちょうど会いたかった中川正春衆院議員(民主)がいたので近づいていった。写真家の山本宗補さんから、中川議員がミャンマーの人権問題にとても熱心だと聞いていたからだ。ミャンマーの人権問題、どんな風に取り組んでいますか、と聞くと、「さっそく、今月17日からタイ国境の難民キャンプに視察に行きます」とのこと。行動が速い。政治家はこうでなくちゃ。
中川議員は、拉致だけでなく、脱北者の問題にも高い関心を持っていると聞く。こういう政治家は意外に少ない。
拉致を糾弾する議員はたくさんいるが、中には朝鮮人が嫌いだということが理由(もちろんそんなことは公言しないが)の人もいる。そういう人にとっては、日本に逃げてきて定住しようという脱北者などは邪魔者に過ぎない。「拉致」と「脱北者」のどちらにも関心を持つことは、「本物」かどうかの一つの試金石になると思う。
さらに、北朝鮮は糾弾するが、ミャンマーには甘いという議員もいるなか、中川議員のように両方にきちんと対応する人は非常に少ない。
今後、中川正春議員の動きに注目していきたい。