最近のニュースより―イスラエルのレバノン攻撃など

晩年に宿題は無し草の花 (京田辺市 加藤草児)

 15日の朝日俳壇の入選句だが、為すべきことを済ませて、悠々自適の晩年か。うらやましい。私なぞ、夏休みが終わろうとしているのに山のような宿題が残ってじたばたしている子どもの心境。「草の花」は秋の季語だそうだ。

 このブログが「長すぎて読めない」、「時事ネタが余計だ」などのお叱りを受けていて、時事ネタは時々きょうのようにまとめて書こうと思う。

 まずはイスラエルレバノン攻撃

 17日と18日、レバノンで、ポケベルなど通信機器を一斉に爆発させるサイバー攻撃があり、37人が死亡、約3000人がけがをした。爆発したポケベルは、ヒズボラが、スマホは通信内容が漏れるからと導入したものだが、イスラエル諜報機関が、その一つひとつに爆薬と起爆プログラムを組み込んだとみられる。

 ヒズボラは政党でもあり社会団体でもあって、戦闘員だけでなく政治家や介護スタッフ、教師もいる。「パパ、鳴ってるよ」とポケベルを手にした子どもや家族、友人も巻き添えにする、人道に反する攻撃だ。

 23日イスラエル軍レバノンの首都ベイルートを含む各地の1600箇所を空爆した。空爆は24日も続き、二日間で558人(女性94人、子ども50人)もが死亡し、多くの市民が避難を余儀なくされていて、混乱が広がっている。イスラエルの地上軍による侵攻もありうる状況だ。もうかっこ(「」)をつけずに侵略戦争と言っていい。

 イスラエルのガラント国防相は24日、「ヒズボラは、指揮系統、戦闘員、戦闘手段において一連の打撃を受けた。我々はさらなる攻撃を準備している」と語っているが、たしかにヒズボラの被った損害は大きい。軍事的には大幹部を含む多くの戦闘員を失い、通信をつなげない状態で軍事組織としての機能は大きく減退している。ヒズボラの内部情報が漏れていることがはっきりした以上、市民からも忌避され、ヒズボラメンバーには近づかないようになるだろう。イスラエルは弱ったヒズボラに追い打ちをかけるように一気に攻勢に出たのか。

 イスラエルでは演出された「国難」のなか軍事攻撃への支持率が上がり、ガザへの関心が相対的に低下するとすれば、ネタニヤフの思うつぼだろう。国際的には、アメリカを巻き込もうと事態をエスカレートさせるイスラエルと、大統領選を控えて沈静化に必死のアメリカ。どちらがイニシアチブを取っているかは明らかだ。こうなると、パレスチナでの戦闘中止に向けて、イスラエルの言い分が強くなり、和平は遠のきそうだ。

 無力感に苛まれるが、あきらめずにイスラエルへの批判を日本政府に働きかけなくては。
・・・・・・

 自民党総裁が大詰めで、マスコミは競馬の予想のように報じているが、どこの調査でも、まともな政策論議ができない小泉が失速し、かわりに統一協会が応援する高市が急上昇していることで見方は一致している。

 ただ、誰が総裁になっても、統一協会自民党との関係について再調査はせず、イスラエルレバノン攻撃も批判できないだろう。

TBSのスタジオに勢ぞろいした総裁候補に、「統一協会との関係を再調査しようと思う人は」と問われ、誰も手を上げなかった。

 また、アベノミクスからの脱却が急務と思われるのに、安倍氏の亡霊に遠慮してか、多くの候補者は沈黙したまま。10月から最低賃金が上がり、近年にない上げ幅だと報じられているが、それでも世界からは立ち遅れている。最低賃金でも、韓国が日本より高いのは知っていたが、先日、それを実感する出来事があった。

 韓国人の旧友と久しぶりに電話で話した。彼は熱心なボランティアで、親にネグレクトされた子どもたちが寝泊まりしながら学ぶ教会の施設を切り盛りしている。給料はないので、自分の生活費を稼ぐために、週日の夜、地下鉄の電車を掃除するバイトをしている。

 大変だね、で、いくらもらってるの?と聞いた。

 「そんなにきつくない仕事で、日本円で30万円くらいです」と彼。

 え、それは日本よりいいね、私もやりたいくらいだ、と言うと。

 「そうですよ。いま韓国は日本より給料はいいです」と、ごく当然という感じで答えた。

 これじゃ、ベトナムなど東南アジアからの労働者が、日本より韓国に行くのを選ぶのは当たり前だ。

 実質賃金が大幅に低下して低賃金の世帯が増えた一方で、アベノミクスは金持ちを急増させた。

 野村総研によると、純金融資産保有額5億円以上の「超富裕層」は2011年の5万世帯から21年の9万世帯へと10年で1.8倍に。1億円以上5億円未満の「富裕層」は75万世帯から139.5万世帯へと、これも1.8倍に増えている。

野村総研HP

安倍政権下で富裕層が急増している(野村総研より)

 これはまず、法人税率をガーンと下げる一方で賃金を押さえて企業利益を積み上げさせたこと、そして異様な金融緩和で株価を政策的に引き上げたことが大きい。

 まさに強きをたすけて弱きをくじく戦後でもまれな悪政。総選挙で審判を!
・・・・・・・・

 憤懣やるかたない日本の政治から気分転換して、南米から楽しいニュース。

 山形大学が、2千年前に描かれたペルーの「ナスカの地上絵」を新たに303点も見つけたという

 地上絵はこれまで430点が見つかっていて、実はこのうち318点を2004年から研究を始めた山形大学が発見していたのだという。

 従来は人工衛星画面などから特定していたが、新たにIBM研究所とAI(人工知能)を活用した共同研究を進め、22年9月~23年2月のわずか半年の現地調査で303点の地上絵を確認したという。

新たに発見された1点(山形大学より)

上の地上絵。実に不思議な、この世のものとは思えない図柄だ

 そうすると、描かれた地上絵は膨大な数になる。当時の人々(私の祖先でもある)は、地上絵を何のために、どんな気持ちで見ていたのかと想像するのは楽しい。

きのう夕方の空。もう秋の雲だ。