子どもたちの手がゆらめくと、そこにシャボン玉が・・・
これは27億年前、シアノバクテリアが光合成で酸素を発生させたシーン。
土曜日、小平市の鷹の台駅裏の林で、「玉川上水46億年を歩く」の一環の影絵のリハーサルがあった。「玉川上水46億年を歩く」は東京ビエンナーレのプロジェクトで、私も少しだけお手伝いしている。
影絵の本番は今度の土曜12日の夜で、私は40億年の生命史をお話しする。小さい子も多いので、「光合成」など特殊用語は使えない。どんな話にするか、思案中だ。
久し振りに晴れ、林の中での生演奏付きのリハーサルは気持ちがよかった。
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節気は芒種(ぼうしゅ)。芒は「のぎ」と読み、稲などの先にある突起の部分だそうだ。穀物の種をまく時節を意味する。きょう、日課の自転車の街歩きの途中、田植えしたばかりの田んぼを見た。
5日から初候「蟷螂生」(かまきり、しょうず)
11日から次候「腐草為螢」(くされたるくさ、ほたるとなる」
16日からが末候「梅子黄」(うめのみ、きばむ)
先週、八百屋で梅を見かけたので、梅酒を仕込んだ。去年、梅ジャムがとてもうまかったのでこれも作りたい。
サクランボも旬だが、山形から「今年のサクランボが異常に出来が悪い」との知らせがあった。
ネットで検索したら、「山形のサクランボが不作、1996年以来の厳しさ 天候不順影響」(毎日新聞)との報道。25年ぶりの大不作だ。農家は大変だろう。今年は食べられないかな。
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5日のTBS「報道特集」がウイグル問題を特集した。
中国新疆ウイグル自治区での深刻な人権侵害は、ジェノサイド(大量虐殺・文化の抹殺)にすらなると非難されている。番組では、生々しい当事者の声をしっかりと取材していてとてもよかった。番組内容を記録しておきたい。
特集は「家族が突然消えた、突然拘束されたなどと訴える当事者の声を取材しました」とのキャスターの紹介で始まった。
中国の西の玄関、新疆ウイグル自治区。面積は日本の4倍。ウイグル族をはじめ少数民族が2500万人暮らしている。その多くがイスラム教徒。
市内のモスクには愛党愛国のスローガンと中国の国旗がかかげられている。
ウイグル族と漢民族とのあいだで衝突が繰り返されてきた。テロ根絶を掲げた習近平政権が強力に推し進めた政策が、「職業訓練」などの教育だった。
その「職業訓練」の名のもとに家族が強制収容されたと話す人物がいる。都内に住むレテプ・アフメットさん。
19年前、東京大学の大学院に進むため来日した。
日本は世界でもっとも多く、新疆からの留学生を受け入れているという。妻もウイグル族。アフメットさんたちは10年前日本に帰化した。3人の子どもがいて、2人が小学生、1人が中学生だ。
故郷の家族とは定期的に連絡を取り合っていたが、4年ほど前からは様子が変わり始めた。
父や弟から何度か連絡があって、家族を連れて帰って来いとこれまで口にしなかったことを何度も言うようになった。
その後、不審に思っていたアフメットさんのもとに脅しの電話がかかってきた、相手は警察だ。
〈アフメットさん〉
「警察が『お父さんの言うことを聞いてさっさと還れ』と。『還らないと家族がどうなっても知らないぞ』みたいなことを言ってきた」
家族の身を案じながらも帰ることを拒んでいると、再び警察から電話がかかってきた。
〈アフメットさん〉
「自宅(実家)に来てて警察が、そのときに母と警察の電話で話をした。
父と弟と、あと父と母の兄弟やその配偶者、子どもも含めて親戚12人が、『今勉強に行ってます』と。『再教育に行ってます』と。『家にいないです』と」
お母さんの声を聞いたのは、それが最後。
その後、実家の電話やスマートフォンに電話してもつながらなくなったという。
アフメットさんの親戚が収容されたとみられるのが、中国政府が「職業訓練施設」と呼ぶ場所だ。
「貧困の解消」という明国で新疆の各地につくられ、職業訓練に加え、中国語や中国の歴史・文化などの教育を行う。
メディアに施設を公開。訓練生から返ってきた答えはー
「自発的に来たので、人権問題とは関係ないし、自由もある」
母親との最後の会話の一か月後、地元公安当局を名乗る男から、ある映像が送られてきた。
父親のメッセージ動画。いつもかぶっていた民族伝統の帽子がない。天井には監視カメラらしきものが映っている。
(父)「悩み事も無く、不自由のない生活をしている。お前も我が国の利益を最優先に考え、積極的に協力すれば、私たちも安心してすごせる」
〈アフメットさん〉「テロリストに(人質に)とられている人たちの状況とまったく一緒なので、最初はこの動画を観るたびに精神的につらくて、毎日泣いてましたね」
「非常にショックな精神的な圧力になりましたね」
中国政府の発表によると、2014年以降、年平均128万人が「職業訓練」を受けたと。そして2019年に「新疆は発展した」として施設を解散したという。
アフメットさんは人づてに父親と弟が施設の外に出ることができたと聞いた。あらためて電話をかけてみた。
通じない。出る気配がない。
〈アフメットさん〉
「海外との通信、電話だったり、メッセージだったりといったことのやりとりも、罪に問われるということもよく報告されている。あえて(電話を)とってない可能性もある」
〈アフメットさん〉「先日、母の日がきて、世界中の人たちが自分の母に連絡して、お花を贈ったりお祝いをしていたと思います。私たちは、そもそも、それどころか、電話一本できないまま、何回も何回も母の日が過ぎていくわけです。精神的な拷問ですよ、これは」
家族の安否すら分からない状態がすでに3年以上続いている。
(つづく)