きょうは、横田めぐみさんが北朝鮮に拉致された日。41年が経ち、めぐみさんは今、54歳になっているはずだ。
新潟日報が「両親から娘へのメッセージ」を載せた。http://www.niigata-nippo.co.jp/feature/rachi/page03.html
(4月に入院する前の2月撮影/滋さんの名前は早紀江さんが代筆=新潟日報)
《めぐみちゃん。本当にごめんなさい。41年間も助けてあげられていないままで。このお手紙はお母さんが一人で口述しています。だけどお父さんと二人で書いたものと思ってください。
お父さんは4月4日から入院しています。パーキンソン症候群です。入院前から高齢のため食べ物を飲み込む力が弱くなっていました。当初は点滴で栄養を補っていましたが、次第に難しくなり、胃に直接栄養を送る「胃瘻(ろう)」に切り替えました。》
と始まるメッセージはあまりにも悲しく、読むのがつらくなる。
最後はこう締めくくられている。
《今、二つの気持ちがあります。一つは「家族としてやれることはやり尽くした。あとは政治家のなされることを見守るしかない」という気持ち。もう一つは、やはり「まだ助けてあげることができなくて、ごめんね」という気持ちです。
間もなく41回目の冬が訪れます。新潟も寒いですが、北朝鮮はもっともっと寒いことでしょう。どうかお体には気を付けて。希望だけは持ち続けてくださいね。お父さんとお母さんも、希望を持ち続けています。》
早紀江さんは、冒頭でもごめんねと言っているが、ほんとうは、めぐみさんと家族に謝らなければならないのは、政府と私たちである。はたして政府はこれまで最善を尽くしてきたのか。国民の生き死ににかかわる問題である。
北朝鮮では、表面上の南北融和の下、底の方で現体制をゆるがす芽が育っているように思える。政府には、いくつもの条件の組み合わせを研究し、あらゆる知恵と資源を動員して解決にあたってほしい。
早紀江さんの「希望」を裏切らないように。