愛は、あきらめない

takase222014-10-04

番組放送のお知らせ。
あす日曜日よる9時から、私が協力した番組が放送されます。
フジテレビMrサンデー緊急特番の特集「横田夫妻37年の闘いとモンゴルでの5日間」。
日朝協議が行われ、拉致問題解決への期待が高まっているが、横田めぐみさんの両親、滋さん、早紀江さんの苦悩のなかの闘いを伝える。
若い人のなかには、拉致問題といってもピンとこない人もいるので、めぐみさんが行方不明になってからこれまでを再現ドラマをまじえて振り返るという趣向。
ウンギョンさんの娘(夫妻の孫娘)の名前など、今回初めて公開する情報もいくつかあります。
ごらんください。
あすは、めぐみさんの50歳の誕生日。一日もはやい拉致問題の解決を祈ります。

この場で、横田早紀江さんの新著『愛は、あきらめない』(いのちの言葉社)もお勧めしよう。写真は、先月11日の出版記念会見で。
この本は、「早紀江姉を囲む祈り会」で語った、ここ2年間の早紀江さんの言葉を収録したものだ。
「祈り会」が始まったのは2000年5月から。早紀江さんの新潟時代のキリスト教信者仲間が中心になって、毎月、東京で、めぐみさんが家族のもとに帰ることを祈り、早紀江さんを支えようと催されてきた。すでに140回を超える。

可愛い13歳の娘が突然いなくなり、安否も知れずに、もだえ苦しんだ20年。北朝鮮にいるらしいと知って喜んだのもつかの間、拉致を否定する北朝鮮の前に苛まれた5年間。2002年9月、突然北朝鮮が拉致を認めたものの、娘は「死亡」とされ、以降、様々な情報とともに、北朝鮮での写真、生徒証、「遺骨」、そしてめぐみさんが産んだ孫までが登場して翻弄された12年が過ぎた。
そして、「これが最後」と期待する日朝交渉がいま進行中だ。会見で早紀江さんは、いま、とても不安で苦しい日々をすごしているという。ある意味、最も辛い時期かもしれない。

早紀江さんは自殺まで考えたという苦しみを信仰で乗り越えてきた。
本の前書きで、こう書いている。
「めぐみがいなくなって以来、物語の上を歩いているような、不思議な人生を歩まされてきた感じがします。しかし、自分の人生はこれで間違っていなかったと思います。」と。
そして、心に響く聖書の言葉が、早紀江さん独特の読み込みで紹介されている。
「神のなさることは、すべて時にかなって美しい」(伝道者の書3章11節)

何が起きても、どんなに酷いことが身に降りかかっても、神の采配として受け容れよう。
この全肯定の思想あってこそ、早紀江さんは生きぬいてこれたのではないか。

(早紀江さんの聖書の「読み込み」についてはかつて書いたことがある)
http://d.hatena.ne.jp/takase22/20080510