きょうは、横田めぐみさんが拉致された日だ。
《横田めぐみさんが北朝鮮に拉致されて15日で37年です。母親の早紀江さん(78)は、「こんなに長くかかっても娘の消息が分からない」と時間だけが過ぎていく現状にいら立ちを隠しきれません。
横田早紀江さん:「こんなに長くかかっても、何の消息も分からないなんて本当に不思議なこと。何でなんだろって」
37年前の15日、めぐみさんは中学校からの帰宅途中に拉致されました。めぐみさんはすでに50歳となり、帰国を待つ両親もそれぞれ82歳と78歳です。
横田早紀江さん:「一生懸命話すとすごく疲れる。もうあんまり無理できないなって。だんだん老化してますから、両方ともね」
横田夫妻は、新潟市で毎年この日に開かれている集会にも今回は出席せず、自宅からテレビ電話で参加するということです。》(テレビ朝日)
家族をうばわれ、交渉が成果を見せないなか、政府に申し入れしたり、テレビ取材を受けたり・・・ごく普通の市民にとって、どれだけストレスのかかることか。
きのう滋さんは82歳になった。お二人はじめ、他の拉致被害者、特定失踪者の家族の心身の健康が心配である。
「時間がない」ことを意識するたびに、ドイツでかつて行われたという「人買い」ができれば、と思ってしまう。
60年代半ばから、毎年ほぼ1000人くらいのペースで、東ドイツは政治犯を西ドイツに引き渡していた。西ドイツ政府は、70年から80年末までに1万2100人の政治犯が東ドイツの刑務所から西ドイツに釈放されるのに努力したとしている。
その際、お金が渡されており、あるドイツのジャーナリストの計算では、一人当たりおよそ700万円を東ドイツに支払っていた。
「政治犯」の中には、「拉致」に近いケースもある。
拉致という国家犯罪に見返りを与えてはならない、というのは正論であるが、一人でも早く身柄を取り返すためには、見返りを与えるしかないと思う。
北朝鮮との間でドイツでのような取引ができれば・・と考えてしまうおのである。
しかし、東ドイツなどとは比べものにならないほどの秘密国家、北朝鮮は、そもそも誰を拉致したのかを明らかにしていない。そこからこじ開けるしかないのだ。
私も非力ながら、世論喚起などできることをやりたい。
今月末は神奈川県の集会で講演する予定だ。
(写真は、きのう拉致対策本部が発表した新しい啓発ポスター。めぐみさんはこの日、早紀江さんの和服を着せてもらい、口紅もさした)