こだまでしょうか

 アメリカが米韓軍事演習をやめるというニュースが波紋を呼んでいる。
 米朝首脳会談の直後、トランプ大統領は記者会見でこんなことを言っていた。
 「大統領選挙戦でも言ったように、在韓米軍を撤退させたい。米韓軍事演習は非常に金がかかる。やめれば莫大な金額を節約できる。韓国も負担しているが100%ではない。今後の交渉課題だ。グアムから6時間半もかけて爆撃機を飛ばして演習するのは恐ろしく金がかかる。こんなのはやりたくない。」「北朝鮮の非核化のコストは、韓国と日本が出す用意があるはずだ。北朝鮮に近いのだから。」
https://www.whitehouse.gov/briefings-statements/press-conference-president-trump/

 トランプ氏の「アメリカファースト」というのは、目先の損得勘定中心のきわめて狭い「国益」のとらえ方にもとづくことがよく分かる。もともと、アメリカからはるか離れた朝鮮半島情勢には関心がない。核搭載ミサイルがアメリカに飛んでこなければそれでいい。北朝鮮の非核化も、近い国がコストの面倒を見るべきでアメリカは関係ないと言っているのだ。
 日本の進むべき道を、こういう政権に「お任せ」するのが危険であることはいうまでもない。
 先週末、周防大島で知り合いになった人のFBを見ていて笑ってしまった。

「全ての選択肢はテーブルの上」といえば「全ての選択肢はテーブルの上」という
米朝会談の中止」を言えば「米朝会談の中止」という
米朝会談を行う」と言えば「米朝会談を行う」という
「最大限の圧力という言葉は使いたくない」と言えば「最大限の圧力という言葉は使いたくない」という。・・・
こだまでしょうか。
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 先週のこと。カナダの先進7カ国首脳会議(G7サミット)で、日本と米国だけが、深刻化する海のプラスチックごみを減らすための数値目標を盛り込んだ文書に署名を拒否した。環境団体からは「恥ずべきことだ」などと批判が相次いでいる。(共同)
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye3392536.html
 また、こだまが聞こえる。

(年間700万トンもが投棄されているというプラスチックごみは早急な対策が求められる)
 さて、対北朝鮮では、米朝会談に押される形で、いよいよ日本が独自に対応しなければならないところにきている。拉致被害者家族はじめ期待が高まっている。しかし、
 ラヂオプレスによれば、北朝鮮の国営ラジオ平壌放送は15日夜、日本人拉致問題に触れて、「日本はすでに解決された拉致問題を引き続き持ち出し、自らの利益を得ようと画策した」と伝えた。日本政府の対応について「無謀な北朝鮮強硬政策にしがみついている」とも主張した。》朝日新聞
 今後の具体的な交渉には、根本的な困難がいくつも待ち受けている。
(つづく)