映画「おクジラさま」完成

 
「おクジラさま」
 太地町のイルカ騒動を描く、佐々木芽生(めぐみ)監督の映画のタイトルだこれだ。ポスターはなんと山口晃の描き下ろし!豪勢だな。佐々木さんの意気ごみが分かる。
http://okujirasama.com/

 佐々木さんとは、監督になる前からの長いお付き合いで、この映画についても側面からご協力している。太地町で地元の人とシーシェパードがやりあう重要なシーンの一つは、うちのスタッフが撮影した。http://d.hatena.ne.jp/takase22/20161228
 去年の釜山映画祭では「ふたつのクジラの物語」としていたが、今回日本での封切りにあたって、タイトルもキャッチコピーも練ったものになっている。
 「おクジラさま〜ふたつの正義の物語〜
 小さな町に押し寄せた、クジラを巡る大きな衝突」
 《「おクジラさま」というタイトルには、ふたつの世界観がこめられています。太地の人にとって命を繋ぐ大切な生き物である「クジラ」、そして海外の活動家にとっては、環境保護や動物愛護の象徴としての大切な「クジラ」。
 このふたつを、徳川5代将軍綱吉が17世紀、世界に先駆けて制定した動物愛護のお触れ「生類憐れみの令」の「お犬さま」からヒントを得て→「おクジラさま」としました。》
 「ふたつの世界観」を見せることで、あの世界的に強い影響をもった映画「コーヴ」に説得力をもって対抗できると思う。少なくとも、太地町の人々が残酷な動物虐待を好んでやっているという誤解は払拭できるはずだ。関心のある方はぜひご覧ください。
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 安倍内閣が、加計学園共謀罪も露骨に力でねじ伏せて乗り切ろうとしているが、きのう今日でちょっと風向きが変わったような感じだ。
 加計学園関連では、少なくとも地上波のテレビのニュースやワイドショーでは、「政府はしっかり調べるべきだ」「国民はこれでは納得しない」とMCが言い切るようになっている。
 そのきっかけの一つが、6日午前の菅義偉官房長官の定例記者会見だったのではないか。テレビが繰り返し流したこの会見では、ある女性記者が何度も何度も、鋭い質問で菅氏を問い詰めた。もちろん菅氏はいつもの調子で切り抜けようとするのだが、テレビを見る人に、この人は明らかにウソをついているな、と感じさせる醜態を演じた。テレビニュースを見ていて、「これはすごい。根性ある記者がいるものだな」と大きな声を出してしまった。

 その記者は、東京新聞社会部の望月衣塑子(いそこ)氏だそうだ。『武器輸出と日本企業』(角川書店)という本も書いている。http://lite-ra.com/i/2017/06/post-3226-entry_3.html

 今村復興相を問い詰めて、「出ていけ!」と言わしめた西中誠一郎氏はフリーランスで、私は「大メディアのみなさんもこの気骨を見習ってほしい」と書いたが、ちゃんといました。http://d.hatena.ne.jp/takase22/20170406
 しかし、まだまだ孤軍奮闘の様子なので、応援しましょう。他の記者も勇気を出して、菅官房長官が「まったく問題ありません」と言ったら、いや、問題あります!と食い下がって相手を立往生させてほしい。国民を代弁してメディアががんばって、このまま、大事なことをうやむやにさせないようにしてほしい。ついでに、創価学会婦人部にも期待したい。まったく道理が通らないのに、唯々諾々と自民党に従う公明党でいいのか!、と声を挙げてほしい。