吉田首相はほんとに真珠湾に行ったのか


 モミジでなくとも美しい紅葉はある。
 赤みがかった褐色が見事な近所の林の巨木。私は樹木の種類には疎いが、たぶんコナラではないかな。きょう、東京は風が強かったから落葉が進んだことだろう。
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 現職首相として真珠湾を訪問するのは、安倍首相が初めてなのかどうか。
 朝日新聞が反応した。
 安倍晋三首相が米ハワイ・真珠湾を訪問することについて、朝日新聞は6日付朝刊で「日本の現職首相が真珠湾を訪れるのは初めて」と報じました。これに対し、「他の新聞で、1951年に吉田茂首相が真珠湾に立ち寄ったという記事を読んだことがある」などのご指摘が本社お客様オフィスに寄せられました。》として以下、答えている。
 《(略)6日付の読売新聞は「51年9月に吉田茂首相(当時)が立ち寄ったとの記録が一部に残る」と指摘しました。吉田氏はサンフランシスコ講和会議の出席前後にハワイを訪問しており、同年9月13日付の読売新聞は「吉田さん、真珠湾訪問」との見出しで、帰路にハワイへ寄った際、太平洋艦隊司令官と会うため12日に真珠湾を訪れたとしています。
 事実確認のため、当時の朝日新聞記事などを調べました。吉田氏がホノルルに立ち寄ったという記事はありましたが、真珠湾に行ったかは確認できませんでした。吉田氏の著作「回想十年」の講和会議前後の記述も調べましたが、ハワイ訪問への言及はありませんでした。
 読売新聞の報道を受け、外務省は改めて事実関係を確認。7日、「51年に吉田首相がホノルルを訪問している」としたうえで、「真珠湾での公式行事については確認されていません」と説明しました。
 菅義偉官房長官は8日の記者会見で「真珠湾は範囲が広大なこともあって、吉田首相が訪問したかどうか、何らかの行事を行ったかどうかについては確認できない」と述べました。そのうえで、51年当時、真珠湾攻撃の追悼施設「アリゾナ記念館」は建設されていなかったことから、「アリゾナ記念館において現職の首相が慰霊を行うことは今回が初めて。また、米大統領とともに真珠湾を訪問することも初めて」と説明しました。
 新しい事実関係がわかれば、改めて報じます。》(9日)

 1951年9月13日付の読売新聞には具体的にこう書かれている。
 《(12日)朝食をとったのち同九時三十分ホテルを出てロング・ハワイ准州知事、ラドフォード米太平洋艦隊司令官、ハワイ陸軍司令官オーランド中将の順序で公式訪問し、それぞれハワイ滞在中の好意に感謝したが、ラドフォード中将を真珠湾に訪ねた時は感慨深げだった。 http://d.hatena.ne.jp/takase22/20161208
 他の新聞が報じておらず、公式記録にも載っていないとは、いったいどうしたことか。日本の首相が真珠湾を訪れるというのは、特筆すべきニュースであるはずだ。まさか、読売新聞の「誤報」(虚報)じゃないだろうな。ここにきて、とても気になってくる。
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  タイ警察が不敬罪疑惑でBBCのバンコク事務所に入った件。問題になったのは、今月1日にBBCがサイトに掲載した”Profile: Thailand's new King Vajiralongkorn” (プロフィール:タイの新国王ワチラロンコン)だ。
 タイの国王は、立憲君主制とはいえ絶大な権力をもつ。300〜400億ドル(3〜4兆円)とされる莫大な王室資産に対する決定権があり、5000人の近衛兵を独自に指揮できる。
 ワチラロンコン新国王は、この権力者の地位に相応しいのか、とBBCは疑問を投げかけている。勇気ある記事である。
http://www.bbc.com/news/world-asia-38126928

 いくつか抜粋すると。
「王位継承者たるに相応しいかにつき疑問が呈されてきた」「女遊びやギャンブル、不法ビジネスなどのうわさが絶えない」
 「1977年、いとこと結婚して一女が生まれた。一方、79年から87年にかけて若い女優との間に五子をもうけ94年に結婚するも、96年に離婚し5人の子どものうち4人の息子を認知しないと宣言。2001年には侍女と結婚し一男をもうけた」
 「ところが2014年、その三番目の妻は離婚され、彼女の両親を含む親戚9人が逮捕された。その一族と近い関係にあったある警察官僚は拘束中、窓から落ちて死亡した」
 「その容疑は皇太子(現国王)の権威を悪用したことで、皇太子と親しい他の人々も同じ容疑で逮捕され、著名な占い師と別の警察官僚の二人が、去年暮れ、逮捕後に死亡している」
 「皇太子はタイ航空のフライトアテンダントの女性と愛人関係になるが、その彼女に近衛兵部隊の中将の位を与え、ペットのプードル犬「フーフー」を空軍大将にした」(しかし、どうやって、犬に軍の階級を与えられるのか?異様過ぎて想像がついていかない)
 ここに挙げられているのは、公になった話だけで、他にも、例えば、三番目の妻を全裸にしたスキャンダラスなパーティの動画が流出したなど、数えきれない不祥事があり、ひそひそ話で庶民にはみな知れ渡っている。報道機関も触れられないのは、不敬罪の存在だけでなく、新国王の周りに不可解な死が頻発している不気味さもある。王室のダークサイドは非常に怖いのだ。
 これで「尊敬しろ」といわれても無理だろう。
 国王は政治・軍事・経済の権力を牛耳る勢力のトップであるが、内部の勢力バランスは流動化している。もし国王の権威が地に堕ちた場合、政変で統制がとれなくなる事態があるかもしれない。