『週刊文春』が2週連続で、ジャーナリストの横田増生氏のユニクロ潜入ルポを載せた。発端は、横田氏が『ユニクロ帝国の光と影』という本を出したこと。ユニクロは名誉棄損で訴え、結局敗訴したが、柳井社長は「悪口を言っているのは僕と会ったことがない人がほとんど。会社見学をしてもらって、あるいは社員やアルバイトとしてうちの会社で働いてもらって、どういう企業なのかをぜひ体験してもらいたいですね」と雑誌対談で発言した。そこで横田氏、アルバイトに応募し去年10月から1年にわたって実際に働いたのだ。久しぶりにこういう根性のすわった取材を見ると、こちらも元気になる。
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きょうはパールハーバー攻撃の75年記念日。
安倍首相は27日に現地に向かう予定で、これが「現職首相として真珠湾を初めて訪問」すると報道されていた。しかし、すでに65年前の1951年9月12日(現地時間)に、吉田茂首相が真珠湾を訪れていた。
https://www.buzzfeed.com/kotahatachi/first-time-ever?utm_term=.xlYbb6qxm6#.caR22NO6pN
吉田首相はサンフランシスコ講和条約を受諾すべく、9月上旬に渡米。その往路と復路でそれぞれハワイに立ち寄っており、真珠湾を訪れたのは帰り道だった。往路では、国立太平洋記念墓地(パンチ・ボウル)を訪問し、慰霊もしている。
Buzzfeedというネットニュースには真珠湾訪問を伝える9月13日読売夕刊の記事が紹介されている。サンフランシスコ講和条約受諾の行き帰りに訪問するとは時宜にかなっている。しかし、記事が小さいのが意外だった。安倍首相は、さあ行くぞ、とキャンペーンのように盛り上げて訪問するのだが、あの当時の日本はあまり肩に力が入っていなかったのか。
それにしても、基本的な事実関係で主要メディアがそろって勘違いしていたのには驚いた。意外にチェックが甘いな。
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久しぶりに北朝鮮に関する興味深い検証記事を読んだ。
高英起(コヨンギ)氏の「衛星情報で追い詰める…北朝鮮「集団虐殺」の動かぬ証拠」。衛星写真の分析で処刑現場を特定したという。
http://bylines.news.yahoo.co.jp/kohyoungki/20161208-00065230/
《2014年10月、平壌に近い姜健(カンゴン)総合軍官学校を撮影した写真を見ると、広場に何らかの物体10個が一列に並べられている。それに向かって6門のZPU-4対空機銃が並べられていて、その後ろには、射撃の様子を観察するためと見られる場所が設けられている(下の写真)。
この画像を米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)に提供した米北朝鮮人権委員会(HRNK)のグレッグ・スカラチュー事務総長によれば、「対空機銃を使って公開処刑を行っている状況に間違いない」と語っている。
そして、アジアプレスは同年10月、北朝鮮の内部情報に基づく「平壌で労働党幹部を集団銃殺か 金正恩氏の指導に違反」と題した記事の中で、10人の労働党幹部が同軍官学校で処刑されたと報じており、HRNKの分析と時期的に符合するのだ。》
RFAの記事に載っていた衛星写真には、targets (処刑された人物らしい)とそれを狙う対空機銃らしきもの(矢印)、viewing area(観覧席)が観察される。
http://www.rfa.org/english/news/korea/korea-aircraft-04292015182715.html/
対空機銃とは、大口径の機関砲だから、遺体は原型をとどめずにバラバラの小片になって吹っ飛んだろう。それを見物して金正恩はどんな表情をしていたのか。
北朝鮮の闇がこうしてまたひとつ暴かれた。