おとといは冬至。
一番昼が短い日で、ここから太陽が復活することから「一陽来復」といい、あとは陽が長くなる一方。ということは、めでたい日だとも言える。この日を一年の区切りにする民族もある。
いよいよ年の瀬、資金繰りを考えなくては。
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カンボジア・シエムリアップといえば世界遺産アンコール遺跡。今回は早起きして日の出を拝んだ。まだ暗いうちのシルエットが神秘的である。映像的にはこの上なく素晴らしいのだが、周りはちと騒がしい。早朝ツアーは人気で、スマホをかまえて日の出を待つ観光客がぎっしり。それでも朝焼けをバックにした尖塔の姿には感動した。お勧めです。
アンコールワットの中に入って、織物に関係するものを探す。クメール民族は、東南アジア史に登場するあまたの民族の中でも織物の技術については最高レベルにあったと森本さんはいう。アメリカのスミソニアン博物館には、極上のクメール絣(かすり)の布4枚があるが、これは1856年にタイのモンクット王がカンボジアの織り手に命じて、当時のピアース大統領に寄贈するために作らせたものだという。タイ国王が国を代表する贈り物に選んだのがクメール絣だったのだ。
アプサラ(天女)のレリーフには、身にまとう衣装の柄がはっきり描かれていた。伝統のクメール絣の意匠ではないだろうか。模様が細かく浮き出ていて、彫り手の布への愛着を感じる。アンコール期に花開いたクメールの布の文化は、その後、タイ、ラオス、ベトナムはもとより、現在のミャンマー、さらには日本にまで伝わっていったと森本喜久男さんはいう。例えば、愛知県の有松絞りにはカンボジアにある意匠と共通のものがたくさんあるそうだ。
こういう歴史を考えながら、森本さんの村「伝統の森」の布づくりを見ると、技術の継承がいかに貴重かを感じる。
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出張前の懸案だった、安倍首相は現役首相として初めて真珠湾を訪問するのかという問題。
あっさり決着がついて、初めてではなかった。しかも、安倍さんの前に、吉田、鳩山、岸と、なんと3人もの首相が訪問していたのだ。ほとんどのメディアが間違ったことになる。
《今月26、27日(現地時間)に予定される安倍晋三首相の米ハワイ・真珠湾訪問を巡り、静岡新聞社の関連会社のハワイ報知社が、現地22日付ハワイ報知で、実際は鳩山一郎首相と岸信介首相も真珠湾を訪問していることが60年前の記事から分かったと報じた。吉田茂首相も1951年に真珠湾に面した米太平洋艦隊司令部を訪れていたことを、政府が16日に記者会見で明らかにした。当初、今回が現職首相として初の真珠湾訪問とされていたが、既に3人の首相が真珠湾を訪問していたことになる。
ハワイ報知によると、鳩山首相は56年10月、モスクワでの日ソ交渉を終えた帰途、同29日に真珠湾を訪問した。翌30日付「布哇(ハワイ)報知」は、「鳩山首相きのう真珠湾を訪問」の見出しで記事と写真を掲載しているという。
岸首相は57年6月、アイゼンハワー大統領との会談で訪米した際、同28日に真珠湾を訪れた。翌29日付「ハワイ報知」英語版のほか、他紙もその様子を伝えているという。
22日付ハワイ報知には「鳩山、岸両首相とも『礼砲の歓迎』と『儀仗兵の閲兵』が行われており公式の訪問と見られる」との見解も掲載。真珠湾攻撃から75年の節目の慰霊訪問が、記憶に埋もれたかつての真珠湾訪問にも脚光を当てている。》(静岡新聞)
http://www.at-s.com/sp/news/article/politics/shizuoka/313323.html
たしかに3人は、真珠湾訪問自体を目的としていなかった。それにしても、歴代3人もの首相の訪問が埋もれていたとは。
取材体制が今とは違っていた、安倍さんのようにパフォーマンスしなかった、真珠湾訪問はむしろ隠しておきたかった、など、いろいろ理由を考えてみるがよく分からない。