朝鮮総連をつぶせ、はヘイトスピーチではない

米大統領オバマの歴史的キューバ訪問をみながら、あらためて北朝鮮を思って感慨深かった

オバマ訪問をピースサインと笑顔で歓迎する大勢の市民。この市民の反応は、北朝鮮と違って「やらせ」じゃない。
同じ日、反政府派団体が数十人拘束される騒ぎがあったが、そのとき「カストロは独裁者」とスローガンを叫びながら警官に引きずられていく姿がテレビにうつった。
欧米メディアのカメラがこれを「自由」に撮影している。
一方、ミャンマーではスーチー氏が入閣するとのニュースも
http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM22H85_S6A320C1FF2000/
ああ、これがソフトランディングもありうる「普通の独裁」なんだな。
北朝鮮の体制とは量的な違いではなくて「質的な」違い。
全く違うものを同じ名詞の《独裁》と呼んだらおかしいよね。だから、私は北朝鮮を「独裁」というべきではないし、そう呼ぶと、あの国の本質を見失うと言ってきたのだ。
http://exodus.exblog.jp/3924376/
・・・・・・・・・
さて、最近の北朝鮮をめぐっての気になる話。
まずひとつめは、「挑発」という言い方。
21日北朝鮮は、短距離ミサイル5発を相次いで発射した。3日、10日、18日に続いてのミサイル発射だ。18日のミサイルは日本全体を射程に入れるノドンだった。
さらに、「朝鮮中央通信は20日、金正恩(キムジョンウン)第1書記が上陸演習と対上陸防御演習を指導したと伝えた。海軍や機械化歩兵部隊などが協力し、韓国へ奇襲上陸する作戦だ。」(「北朝鮮、重ねる軍事挑発」(朝日21日)http://www.asahi.com/articles/ASJ3N54FKJ3NUHBI014.html
こういう動きをメディアは「挑発」と表現するが、これはおかしい思う。
挑発とは、「ほらほら、もっとやってこいよ」と、敵がさらに大きな敵対行動を採るよう煽り立てることだが、北朝鮮は実は米韓軍事演習や国連制裁はやってほしくない。だから厳重抗議しているわけである。「われわれは、米帝との全面戦争に徹底的に準備してきたということを隠さない」「われわれの革命武力は最強であり、国のすべての所が要塞化された」と金切り声で叫ぶのを「挑発」と表現していいのかどうか。普通の表現で言えば「威嚇」である。
例えば、安倍首相が沖縄問題で強硬な施策をとり、沖縄県当局が強く反発した場合、安倍政権が「挑発」したとは言わないだろう。結果的には反発を煽ることになったとしても。
メディアの在り方からいえば、「北朝鮮は国連安保理の制裁や警告を無視してミサイルを発射しました。米国の高官はこれを「挑発」だとして非難しています」という言い方がオーソドックスだと思う。
政府の高官やコメンテーターが「挑発」と解釈するのは自由だが、メディアの報道として、またはMCやキャスターの言葉で「挑発」と表現するのは私の基準ではアウトだ。

もう一つ。
朝日新聞がきのう「朝鮮学校補助 子どもらに責任はない」という社説を出した。
http://www.asahi.com/articles/DA3S12268692.html
典型的なリベラル左派の、一見人道的な装いの社説だが、朝鮮学校が普通の民族学校などではないことはこのブログで繰り返し書いてきた。
金正恩を讃える出し物を何カ月も練習させられ、一ヵ月以上北朝鮮に送られて、個人崇拝の宣伝に供せられるパフォーマンスを強いられることこそ、子どもへの虐待ではないのか。
私はヘイトスピーチとは断固闘うが、朝鮮総連朝鮮学校を閉鎖せよというのはヘイトでも何でもなく、正当な主張だと考える。
みなさんはどうだろうか。