7月も終わりだ。急に暑くなって、夜もエアコンを入れないと敷布がじっとり濡れてしまう。
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先週、北朝鮮が5月に引き続き、ミサイルを発射した。多くのマスコミ解説では、これを米韓軍事演習への「牽制」だとしている。私は北朝鮮が政治的な駆け引きを目的にミサイル発射をしているという見方には反対だ。これまでも繰り返してきたが、北朝鮮は実戦使用する武器としてのミサイルの性能向上に邁進している。
《韓国軍当局者は26日、北朝鮮が25日に発射した2発の短距離弾道ミサイルを巡り、ロシア製の「イスカンデル」に酷似しているとの見方を明らかにした。通常の弾道弾とは異なる軌道で飛行するため、捕捉や迎撃が難しい。韓国軍は2発のミサイルの飛距離を「600キロ程度」に修正した。日本を射程に収める能力を有している可能性があり、新たな脅威となる。
イスカンデルはロシア軍が開発し実戦配備しているミサイル。固体燃料を使い移動式発射台から発射するため、事前の捕捉が難しい。韓国軍によれば今回のミサイルの高度は50キロと低く、下降時は水平飛行に移行する特性を見せた。5月に発射したミサイル「KN23」も類似の特徴があるという。(略)
26日の朝鮮中央通信によると、発射を視察した金正恩委員長はミサイルを「防御が容易でない戦術誘導弾の低高度飛行軌道の特性と、戦闘的威力を確信できるようになった」と評価した。
新型ミサイルの脅威について、韓国国防省出身の金東葉慶南大教授は「核弾頭を搭載し、ミサイル防衛網を突破できる」指摘する。最大射程については「中朝境界から発射して韓国・釜山に届く700キロで設計された可能性が高い」と分析した。
700キロなら、南北境界近くから発射した場合、長崎県佐世保などの在日米軍基地も射程に入る。脅威の度合いは高まったが、日米韓が一致して北朝鮮に厳しい姿勢を取れるかは微妙だ。今のところ国連安全保障理事会の制裁決議違反を問う声は上がっていない。
トランプ米大統領は25日のFOXニュースで「彼らは核実験はしていないし、小さいミサイルしか発射していない」と述べ、問題視しない立場を示した。ポンペオ米国務長官も25日、FOXニュースで、金正恩委員長が6月に板門店でトランプ氏と会談した際、「中距離や長距離の弾道ミサイル発射は避ける」と約束したと主張した。》https://www.nikkei.com/article/DGXMZO47829970W9A720C1FF8000/
弾道ミサイルなら、国連安保理の制裁決議違反になるはずだが、トランプ氏は米国本土に届かない短距離ミサイルならかまわないと公言している。北朝鮮への非難を控える中露韓はもとより、米国までがこうだから北朝鮮の対日本ミサイル開発をやめさせる圧力はもうないと見てよい。
わが日本も・・安倍晋三首相は、25日早朝のミサイル発射の後、静養先の山梨県富士河口湖町でゴルフを楽しんだ。日本の安全保障に影響を与えないと判断したためだという。
金正恩が言った「防御が容易でない」ミサイルを開発しているという言葉は、そのまま受け取る必要がある。ただでさえ効果が疑問視される日本のミサイル防衛システムでは全く対応できないミサイルが開発され着々と性能が改良されている。いま世の中は、この現実を見ないようにしようとしている。私には、実験を重ねるごとに北朝鮮ミサイルの脅威は確実に高まっているとしか思えないのだが。
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ウイグルから米国に亡命したメヒルグル・トゥルスンの証言つづき。
三つ子を連れてエジプトからウイグルに里帰りしたトゥルスンさんは、ウルムチの空港で拘束されたあげく、引き離された幼子一人が死亡。その後釈放されてウルムチから遠く離れた両親の住む実家で警察の監視の中生活していた。すると・・
2017年4月17日、特殊警察から電話ですぐウルムチに来いと言われたので、飛行機で向かった。出頭すると荷物を取り上げられ、拘束された。理由は「民族間の対立を煽った」というもの。全く身に覚えのない罪状だった。
3日間、眠らされずに尋問を受けた。なぜ外国に行ったのか、何をしていたのか、なぜ礼拝をするのかなど繰り返し聞かれた。十数人が交代で拷問した。だれそれという人物を知っているだろうとの質問に「知らない」と答えるとひどく殴られた。そのため、今も右の耳が聞こえない。
頭部に電気ショックの拷問をされ、思わず「アッラーよ!」と叫ぶと嘲笑され、さらに拷問された。2回の電気ショックの拷問で気を失った。
4月21日、病院に運ばれた。病院では、あらゆる臓器が検査された。(注)
そこから、頭に黒い布、手錠、足には鎖をつけられて収容所に連行された。裸にされ、男たちに調べられ、青い服を着せられた。54番という番号をつけられ210号室に入れられた。50数人の監房だった。
あまりの屈辱に「どうすれば自殺できるだろう」ということばかり考えていた。収容されている人は2~3日ごとに4~5人が入れ替わった。
習近平国家主席の長寿を祈り、中国共産党を称えるスローガンを言わされ、できると中華まんが与えられ、できないと拷問された。睡眠不足、栄養不足で、みな手足が腫れていた。房の4ヵ所に監視カメラがあり、24時間電灯がついていた。部屋の隅に穴が開いていてそれが便所。みなの眼に触れながら用をたすしかない。房は狭すぎて、2時間おきに20~30人づつ交代で寝ていた。
ときおり1人づつ呼び出され、強制的に注射されたり薬を飲まされたりした。何の薬か分からない。私がいた間、同じ房の女性で亡くなった人が9人いる。亡くなったのは21歳の若い人から年長の人は86歳だった。呼び出されて帰ってこない人もいた。どうなったのかわからない。
薬を投与されると気分がとても落ち込んで、1週間ほどうつ状態になった。2017年8月末、気絶して気がつくと精神病院にいた。どうやって病院に運ばれたか、全く覚えていない。その後、実家に帰った私は人を怖がるようになった。
実家は常時きびしい監視下におかるようになった。2人の政府職員が我が家に住みこんで一緒に生活するという。電話も使えない。外出もできない。家族との会話もみな聞かれるという暮らしが始まった。
(つづく)
注:中国では、生体からの臓器移植が横行しているとの未確認情報がある。