近所からいただいた柿。
柿は最も好きな果物の一つで、家に柿があるというだけでうれしい。
もう10月も終わりか。季節の移ろいは、いつも「いつの間にか」である。
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平壌で行われていた日朝の協議が、2日間の日程を終えてきょう午後6時前に終わった。
協議は以下に集約できる。
「協議の冒頭、4つの分科会のうち、終戦前後に朝鮮半島から引き揚げる途中で現在の北朝鮮領内で亡くなった「日本人の遺骨問題」の分科会の責任者を務めるキム・ヒョンチョル国土環境保護省局長が「5月の日朝合意に沿って日本人の墓地や遺骨の埋葬地の全面的な調査を行った。調査の内容や分かったことを日本側に通報したい」と述べました。
午前の協議では、「日本人の遺骨問題」のほか、在日朝鮮人の配偶者とともに北朝鮮に渡った、いわゆる日本人妻などに関する「残留日本人・日本人配偶者」の分科会の調査に関する説明が行われました。
そして、休憩を挟んで再開された午後の協議には、ソ・テハ委員長や2人の副委員長らが出席し、日本側は改めて拉致問題を取り上げ、調査の現状を問いただしました。」(NHK ニュース9)
北朝鮮は、遺骨と残留日本人、日本人妻を前面に出してきた。
以下は、7月18日にあるところに私が書いた文章の一部だが、残念ながら、北朝鮮はこの路線で押しまくるつもりらしい。
《日朝の温度差は、すでに特別調査委員会の設置の発表に垣間見えている。
特別調査委員会には調査対象ごとに四つの分科会が置かれるのだが、日本側が「拉致被害者」「行方不明者」「日本人遺骨問題」「残留日本人・日本人配偶者」の四分科会と記しているのに対して、北朝鮮側は「日本人遺骨」「残留日本人および日本人配偶者」「拉致被害者」「行方不明者」の順に並べて発表している。
北朝鮮側は、拉致被害者、行方不明者を後回しにして日本人遺骨や日本人配偶者などを優先し、多くの「数」をかせいで「成果」として示す狙いなのではないか。
日朝間でボタンのかけ違いがもう始まっている気配を感じる。》
拉致被害者には「調査」の必要はない。
一方、遺骨などは調査のし甲斐があるテーマだ。住民の聞き取り調査や発掘調査が重要で、そのための機材や専門スタッフも必要になるだろう。拉致ではなく、こちらの方の活動をどんどん進めては報告してくるつもりだろう。
実は、半世紀以上前に行われた、日朝の交渉で、北朝鮮は似たような戦術を採った。
日本は、北朝鮮の強引な議題設定に押し切られ、その結果、2千人以上の日本人が、いまなお安否さえ分からぬままになっているのだ。
そこから教訓をくみ取るためにも、当時を振り返ってみよう。
(つづく)