北朝鮮のミサイル発射は止められない

 オフィス近くの本郷通りは銀杏の若葉があざやかだ。
 「木でいちばん美しいのは、花でも紅葉でもなく若葉かもしれないね」などとスタッフと話しながら神保町のカレーの「エチオピア」へ。すると隣の席に、中国語を話しながら二人の美女と、彼らを撮るディレクター、カメラマンがやってきた。中国語のうまいディレクターだなと思って顔を見たら、旧知のTさんではないか。中国に移り住んで、もう4年くらいになるだろうか。奇遇だなあ。
 中国で、自分のネットチャンネルを立ち上げ、中国人をリポーターにして日本のおもしろい場所や人物を紹介する番組が当たって大忙しだという。きょうは、神保町界隈をアポなしの飛び込み取材。この辺で美味しいお店を訪ねてここにやってきたという。
 ネットでの動画配信が採算に乗せられないでいる日本よりも中国のメディア事情の方が先を行っているようだ。
・・・・・・・・・・
 清明節(4月4日〜19日)はきょうが最後。清明とは「万物ここに至りて皆潔斎にして清明なり」の節気で、三候は「玄鳥至」(つばめ、きたる)、「鴻雁北」(こうがん、かえる)、「虹始見」(にじ、はじめてあらわる)。沖縄では「清明祭」(シーミー)が行われ、墓前で親族縁者が歌い踊って楽しむのだとか。
 明日からは、降る雨は百穀を潤す「穀雨」(こくう)。初候は「葭始生」(あし、はじめてしょうず)、次候「霜止出苗」(しもやみて、なえいずる)、末候「牡丹華」(ぼたん、はなさく)。春の最後で、次の節気はいよいよ「立夏」だ。きのう、きょうの東京は日中暑いほどで、夏のきざしを実感する。
・・・・・・・・・・・
 トランプ政権は、シリアでアサド軍を攻撃したあと、北朝鮮への軍事力の行使で脅しにでたが、北朝鮮は16日、ミサイルの発射実験を行った。メディアは実験が失敗したことを大きく伝えたが、発射したことが重要だ。アメリカによる軍事力行使で圧力をかけても、北朝鮮は態度を変えない。アメとムチによる政策誘導がきわめて困難だということがあらためて明らかになった。

 一方、北朝鮮は19日、いわゆる残留日本人の女性を日本メディアに取材させた。朝鮮半島に生れ、終戦直後の混乱の中、12歳で日本へ引き揚げる途中に家族と生き別れたという荒井琉璃子さんと名乗る84歳の女性。「両親の墓参りをしに日本に戻りたい。日朝関係がよくなれば帰国して親族にも会いたい」と語ったという。
 これに先立って17日、ソン・イルホ日朝国交正常化担当大使はピョンヤンで記者会見し、北朝鮮拉致被害者を含む日本人行方不明者の全面的な調査を行うことを約束した3年前の合意について、日本側が破棄したとしたうえで、「拉致については誰も関心がない」と主張。一方で日本側から要望があれば、残留日本人などの問題には今後も取り組む用意があるという姿勢を示した。つまり、拉致以外の、遺骨、残留日本人、日本人配偶者についてはやってもいいという。
 ここからどう事態を動かせるのか、道は険しい。