二人に一人ががんになる時代を実感

takase222016-02-18

日本人の二人に一人ががんになるという。
半月ほど前、これを実感するできごとがあった。
自分の体から、がん細胞が出てきたのだ。

私はめったに健康診断を受けないのだが、古い友人の森康行監督(去年、「種まきうさぎ」という福島の高校生たちの映画を 作ったhttp://d.hatena.ne.jp/takase22/20151103)に「君も若くないんだから、胃と大腸の内視鏡検査くらいはやっておいたほうがいいよ」と熱心にすすめわれた。「それに、自分の内臓の中を見るのはおもしろいよ」とも。
それで1月、検査を受けた。大腸の内視鏡検査、たしかに面白い。
お尻から入れたカメラがモニターに映し出す映像は、まるで洞窟探検だ。
ミクロの決死圏』だっけ、体を縮小して人体の中に入っていく映画があった。あそこまではいかないが、見たことのない異次元の光景である。
ぬらぬらした赤い壁の洞窟を直進し、コーナーを回ってしばらく進むと、壁の表面がぽこっと膨れている。
「あ、ポリープですね。採りましょう」。
針金の投げ縄みたいなものをポリープにひっかけ、ぎゅっと絞ると団子のようになって、ぽろりと採れた。採ったポリープは4個。2週間後、細胞検査の結果を聞きに行く。

医師が開口一番「がんが出ました」。
まじっすか・・というのはこういうとき使うのか。

がんは全部採りきれてないかもしれないし、これからはなるべく定期的に検査してくださいと言われた。
大腸検査をやっといてよかった。森監督に感謝。毎年、洞窟探検しよう。
みなさんもどうぞ検査をしてください。
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北朝鮮は12日、日本が北朝鮮に対する 独自制裁を決めたことに反発し、日朝合意に基づく日本人に関する包括的な調査を全面的に中止し、「特別調査委員会」を解体すると宣言し た。朝鮮中央通信が伝えた。日本人拉致問題の解決を目指した日本政府に対する報復措置とみられる。(略)
 北朝鮮は、日本の独自制裁について「極度の嫌悪感と沸き立つ憤怒を禁じ得ない」と 非難。「我々に対する全面的な挑発だ」とし、2014年5月のストックホルム合意について「破棄を公言した」と決めつけた。
 そのうえで、12日から拉致被害者を含む日本人の包括的な調査を全面的に中止する と宣言。秘密警察の国家安全保衛部が率いる特別調査委員会を解体するとした。日本に対して「より強力な対応措置が続くことになる」と警 告。「今日の重大な結果を生んだ全責任は安倍政権が負わなければならない」とも主張した。》(朝日新聞
拉致は国家事業だから、調査などする必要はないのだが、北朝鮮側が「よく調べたら、いました」と新たに拉致被害者を出してくる「場」として設定したのが「調査委員会」だった。
委員会設置当時は期待が高かったが、遺骨や残留日本人の問題に比べて拉致を後回しにする姿勢がはっきりしていた。http://d.hatena.ne.jp/takase22/20141029
そもそも委員会レベルで動く話ではないのだが、進展を示す「場」がなくなったことで、当面動きは期待できない。拉致被害者とその家族には残酷な結果となった。

北朝鮮の動きが不可解に見えるときは原則に立ち返るのがいい。
全体主義政権は相手の妥協性に対して一層の敵意をもって応ずる」。つまり、こっちが善意を示しても、向こうは敵意で返してくる。
また、全体主義は、「合目的的な考慮や単純な権力慾にわずらわされ」ない。政治は合目的性に依拠するはずだと思う我々には、全体主義の「一切の政治的行動」が「まったく予測不可能なもの」とうつる
「単純な権力慾」で動いていないのに、金正恩は権力にしがみつき、権力を安泰にすることを唯一の目的にすると我々は誤解する。
そこで、全体主義の「物的な力を過大評価するあやまちにおちいった人々と」、「(全体主義)権力のポテンシャルを軽視する人々とに分れた」
たしかに、我々の周りにも、得体のしれないしたたかさに感心する人と、あんなとんでもない体制はすぐに倒れるとバカにする人がいるな。
(ハナ・アーレント全体主義の起源』)
http://d.hatena.ne.jp/takase22/20100522
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丸山和也参院議員(自民)が「奴隷がアメリカ大統領になっている」などと発言して問題になっている。
そもそも閣僚の面々が軒並みむちゃくちゃな言動をし、国会議員の非常識さがワイドショーのかっこうのネタになる今日この頃、丸山議員の発言などかわいいものだが、実はこの人物は以前からスキャンダルまみれだった。
ある女性ディレクターが、彼を取材に行ったところ、部屋に閉じ込められてレイプ一歩手前までいったと私に訴えてきたこともある。
行列のできる法律相談所」などの番組の影響もあって、いわゆる「ユニークな弁護士」がもてはやされ、名前が売れて政界に進出というコースを歩んだ人が何人もいる。橋下徹氏もその一人だ。
そういう人にかぎって問題のある人が多いように見えるのは錯覚だろうか。