北朝鮮の政治犯収容所の中で生まれたシン・ドンヒョクさん。(写真は28日の参院議員会館の集会で)
外の社会を知らずに「狼少年」みたいな人間に育ったのかと思いきや、温和でユーモアもある紳士だった。
いくつか、その先を聞いてみたい印象的な発言があった。
「将来の夢は、北の収容所のあったところに戻って、野良仕事をして暮らしたい。収容所は地獄としか表現できず、いい思い出は一つもないが、自然はうつくしい。韓国の都会と違って、星がとてもきれいだ」
「韓国は自殺する人が多い。教会にいくとみな『私は不幸だ』と嘆いている。私から見れば、何が不幸なのか全然わからない。韓国のような競争社会には住みたくない」
「拉致問題はながく解決できずにいるが、北朝鮮は『対話』で問題が解決する体制ではない。核問題も同じで、『対話』などで解決できないのに、国際社会があたかも『対話』で解決できるかのようにふるまっているのをみると、いらだち、じれったさを覚えます」・・・
もっと話を聞いてみたいでしょう?
彼の本があるので紹介しておこう。『収容所に生まれた僕は愛を知らない』(KKベストセラーズ )。
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《池田名誉会長が脱舛添指令 創価学会一転「原発ゼロ」の細川支援に》
こう報じたのは『日刊ゲンダイ』だ。
《「人間を信じる。平和と核廃絶を信じる」――。きのう(28日)の朝刊を広げると、飛び込んできた深紅の文字のメッセージ。創価学会が一般紙に掲載した全面広告だ。
池田大作名誉会長(86)は26日、毎年恒例の「平和提言」を発表。広告は提言を受け、〈これまでの取り組みを一歩進め、青年部を中心にグローバルアクションキャンペーンをスタートさせ〉る旨を伝えたが、広告掲載の規模は半端じゃない。
いわゆる朝・毎・読・日経の主要全国紙をはじめ、北は北海道新聞から南は沖縄タイムスまで、全国津々浦々の地方紙にメッセージを載せた。
「核廃絶」は「脱原発」にも結びつく。実は2年前の平和提言でも、池田名誉会長は「原発に依存しないエネルギー政策への転換を早急に検討すべき」と、脱原発に踏み込んでいた。都知事選で細川―小泉コンビが脱原発を掲げる中、莫大な広告費を払った全国への「檄文」は首都決戦と無関係とは思えない。
学会関係者は「細川支援にカジを切った。すぐさま舛添支援を撤回するわけではないが、そう捉えて構わない」と、絶対匿名を条件に明かす。》
安倍首相が、集団的自衛権行使容認や憲法改正、原発再稼動に邁進するこのご時世、「平和と核廃絶を信じる」との創価学会の大広告は、安倍内閣への批判ととられても不思議ではない。都知事選での舛添支持の公明党の公的な立場との齟齬を私も感じる。もし創価学会の票が舛添氏から逃げたら大混戦になると思う。
しかし、きょう、安倍首相と公明党の山口那津男代表が2月2日にそろって街頭演説を行い、舛添氏支持を訴えることが判明。やはり学会票は舛添氏に行くようだ。
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こないだ、ホームレス支援の雑誌『ビッグイシュー』について書いた。この雑誌は、街角に立つ販売者が売り、定価300円のうち180円が販売者の収入になる。
先週、御茶ノ水駅の前の販売者がいつもの人と違うのに気がついた。
「あれ、交代したんですか」と聞くと、
「(前の販売員は)仕事が決まったそうです」とのこと。
「それはよかったですね」とあたらしい販売員さんからビッグイシューを買い、すぐに「ホームレス人生相談」を読む。
相談者は、30代の会社員の女性だ。
去年は身内の不幸が続いたり、家族の不仲や、恋人との別れ、仕事での失敗など、なんだか悪いことが続いた感があります。今年こそいい年にしたいのですが、そのために心がけることって、どんなことでしょう?
悪いことが続いても、前向きな気持ちを保つにはどうしたらいいですか?
答えるのは57歳のホームレス、ヒロキさん。
「そうかぁ、去年は大変な一年だったんですねぇ。おじさんも、若い頃は、いろんな不幸が続いたことがあるから、その大変さ、身にしみるようにわかる気がします。
でもね、ある時から、考え方を変えるようにしたんです。身内が亡くなったのも、不幸なのではなく、もっと幸せに暮らすために向こうの世界に旅立ったんじゃないかと。恋人との別れも、次のもっといい人と出会うために神様が与えてくれたものかもしれない。仕事の失敗も、失敗したからこそ学ぶことができて、もう1ステップを上がったんだ、ってね。
僕、今57歳なんだけど、いいことばっかり続いたら、次は悪いことがくるように、人生ってできてるのかもなぁって最近思います。あまり若いうちから、いいことばっかり続くよりも、そこそこの不幸がある、そこそこの人生のほうが歩みやすいのかな、なんて、57歳で花開きかけの遅咲きの僕が言うのもなんですが・・・(笑)
僕は37歳の12月に家を出て以来、20年近く、ホームレスなんです」
(つづく)