横田めぐみさんたちを救出しよう

takase222009-12-02

私は「7人の会」で、拉致問題の解決を訴える意見広告を載せる運動をしてきたが、今年のキャンペーンのしめくくりとして、今朝の読売新聞第二社会面(関東地方)に「横田めぐみさんたちを救出しよう」という広告を出した。
10歳くらいのめぐみさんが双子の弟さんの手を握って爪先立ちしている写真を添えた。実にかわいらしい顔としぐさで、私の好きなスナップである。親でないとなかなか撮れない自然ないい表情だ。一日も早く、家族のもとに帰したいとあらためて思う。
きのう12月1日午後、「7人の会」は今年5回目の記者会見を開いてキャンペーンのまとめを報告した。
http://jinken.asia/
掲載実績は、
2009年4月28日 「ニューヨークタイムズ
2009年6月25日 韓国三大紙(朝鮮日報東亜日報中央日報
2009年10月19日 フランス 「ル・モンド
2009年12月2日 読売新聞
募金してくださった方はのべ1940人を超え、総額1950万円の浄財が集った。日本人がこの問題の解決に寄せる熱い心を感じて、ほんとうにうれしかった。国民の関心の強さに支えられているからこそ、日本で拉致の問題が風化せずにエネルギーを持ち続けているのだ。
横田さんたちが講演会などでよく「私たちは何をしたらいいんでしょうか」と言う質問を受けるが、そのときの答えは「みなさんが拉致の問題に関心を持ち続けてくださるのが一番大事だと思います」だ。
実は読売に広告を出した段階で少し赤字が出ており、もしご協力いただけるなら、もう一度寄付をお願いしたい。情勢を見て、また活動を再開するため、ホームページは残して置くことにした。余ったお金は会の維持に当てたい。

記者会見の席には、拉致被害者家族会事務局長の増元照明さんと北朝鮮難民救援基金の加藤博さんが出てくださった。
二人は、国連人権理事会の「UPR(普遍的・定期的レビュー)」審査のため、きょう2日、ジュネーブに発つ。UPRとは、毎年48カ国が対象となり審査を受けるもの。どの国も4年に1度審査されることになっている。今年は北朝鮮がそれに入っている。
対象国が作成した報告、国連人権高等弁務官事務所が作成した報告、NGOなどからの情報などをもとに、人権理事会の47カ国の代表によって構成される作業部会で審査され。審査後、勧告などを含む報告が作成される。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/jinken_r/upr_gai.html
増元さん、加藤さんはこのためにジュネーブに行くのだ。
北朝鮮による日本人拉致は、直接には日本と北朝鮮の二国間の問題だ。しかし、この問題は、核・ミサイル、飢餓、脱北難民、政治犯収容所などを含む「北朝鮮問題」の一つなのだ。拉致問題解決は、北朝鮮の体制を民主化し、国を「正常化」する闘いであり、国際社会を大きく巻き込んでいかなくてはならない。
北朝鮮に拉致された被害者の国籍は10カ国を超えるが、増元さんたちはこれらの国の外交官にもあって「あなたの国からも拉致されているんですよ」と知らせ、協同しようと訴えるという。加藤さんたちの団体は、脱北者300名を救援してきた。脱北者のなかには中国で潜伏中に捕まって北朝鮮に強制送還される人もたくさんいる。加藤さんは、国を脱出せざるをえない圧政の実態、脱北者がこうむっている悲惨な状況をアピールしてくるという。
今回のジュネーブでのロビー活動は、拉致問題と難民問題の「人権共闘」である点が意義深いと思う。「人権」をテコにして「北朝鮮問題」を解決する機運が世界的に高まってほしい。
日本が先頭に立って北朝鮮の人権について世界に発信することは、歴史に残る国際貢献になるだろう。