ねがい

takase222013-09-30

タマスダレが咲いている。
夏場、ちょっと涼しい朝に咲いていたが、このごろは連日白い花を咲かせている。
・ ・・・・・・
心が洗われるような詩に出会った。
尊敬する人から紹介されたものだ。


ねがい
               城 左門(じょう さもん)

これから、わたくしは何も願わないだろう
願うよりも享(う)けることが
どんなに豊かであるかを知ったから―
日日は、何という壮麗な饗宴であろう


空の浩(ひろ)さは、わたくしを眼覚めさせる
樹々は緑の喜びを
花は、花ひらく美しさを
そうして太陽は限りない寛濶(かんかつ)を示す

生きて行くことは楽しい
加えるばかりだ、償(つぐな)いはない
悲しさは優しさの姉妹であり
貧しさは慎みの兄弟だ


生きて行くことは楽しい
作り出すばかりだ、亡びはない
悩みは解(ほど)くことの鍵であり
疫(えや)みは癒すことの力だ


これから、わたくしは何も願わないだろう
覔(もと)めたものは小さく享けたものは大きい
願うなき願いの日日に生きよう
和らぎと微笑みとは、かくして来るであろう




苦しいことや悲しいことがあっても、自分をふくむこの世は、このままですべてよしという全面肯定。悩みの中に解決の鍵を、病気の中に癒しの力を見るという縁起の眼。
こういう深い楽しみを感じながら生きていきたいものだ。