朝鮮中央通信が、飯島勲内閣官房参与と金永南（キム・ヨンナム）最高人民会議常任委員長のこんな写真を配信した。これはまずい。
敵国（とあえて言おう）の要人とおじぎしながらの握手をしてはならない。こんなの海外で交渉をしようという人は当然わきまえていなくては。２００２年の小泉首相の金正日との握手とは全然違う。
北朝鮮は対内的には「日本から頭を下げてきた」という宣伝ができたし、国際的にもプラスになった。
さっそく韓国とアメリカが牽制してきた。
韓国外務省の報道官は《「北朝鮮への対応では韓米日はもちろん国際社会が緊密に協調体制を維持することが重要だ。そうした意味で飯島氏の訪朝はプラスにならない」と、「異例」（韓国メディア）の批判をした》（産経新聞）
韓国はこのところ、米中との連携しか言わずに「日本外し」をしてきたのだが・・
また、《外務省の杉山アジア大洋州局長は、日本を訪れているアメリカ国務省のデイビース特別代表と会談し、飯島勲内閣官房参与の北朝鮮訪問について説明したうえで、「北朝鮮との対話は、あくまでも非核化に向けた対話であるべきだ」という認識で一致し》たという。（NHK16日）
アメリカは「拉致」より「核」を優先しろと言って日本も了承させられたということだ。
しかし、六カ国協議では議題に「拉致」を入れていない。多国間の枠組みだけに縛られる必要はない。
さまざまなルートで日本が北朝鮮と接触をはかること自体には何の問題もない。韓国はケソン工業団地の件で南北協議を呼びかけ続けているし、米国はニューヨークで北朝鮮との秘密接触を継続している。
問題があるとすれば、今回、北朝鮮との接触を大っぴらにやったことではないか。
報道によれば、今回の飯島訪朝は在日の商工人から持ち込まれたのに日本側が渡りに船と乗っかった形のようだ。内密の訪朝のはずが北朝鮮により「公開」されたらしい。
ただ、飯島氏のような大物がいきなり平壌に行ったら必ず公になる。北京−平壌便の乗客リストには多くの目が注がれているからだ。ちなみに、小泉訪朝前の秘密交接触の舞台は北朝鮮ではなく中国だった。
首相はきのう「安倍内閣で解決しなければならない。全ての拉致被害者の家族がお子さんをしっかりとこの手で抱きしめる日がやってくるまで、私の使命は終わらない」と解決に意欲を示した（産経新聞）という。その言やよし。ただ、焦って騙されないようにしてほしい。
かつて安倍氏は、朴在斗（パクジェド）なる詐欺師に騙されたことがあったから心配なのだ。http://d.hatena.ne.jp/takase22/20120927
