日朝協議への「方針」はあるのか

北朝鮮が「具体的な調査結果を報告できる段階にはない」が、「平壌に来て特別調査委員会のメンバーに直接会って話を聞いてほしい」として、担当者の訪朝を提案した件。
安倍内閣は、当初、担当者を送る予定でいたが、家族会などの反対で決定を先延ばしした。
安倍晋三首相は9日、山谷えり子拉致問題担当相、自民党古屋圭司拉致問題対策本部長と官邸で会談し、拉致被害者らの再調査状況を確認する政府担当者の北朝鮮派遣について、拉致被害者家族会や超党派拉致救出議員連盟拉致議連)、与党の意見を踏まえて最終決定する方針を確認した。このため、最終決定は10月下旬以降になる見通しとなった。
 城内実外務副大臣は記者会見で「被害者家族や関係各方面から理解を得ないと(派遣は)決められない」と述べた。(略)》(産経10日)
意見聴取は16日になるという。

拉致交渉 横田夫妻に任せたい (朝日川柳 6日)
進まない日朝協議を見ていると、この気持ちはよく分かる。
このブログで何度も書いたように、私は夫妻の見識を尊敬している。また、横田早紀江さんは、おそらく日本最強のオピニオンリーダーの一人だと思っている
しかし、北朝鮮との交渉を仕切るのはあくまで政府であって家族会や横田夫妻ではない。
http://d.hatena.ne.jp/takase22/20141001

政治家がよく横田さんにこう言うという。「拉致問題で私に何ができるんでしょう。何でも言ってください。そのとおりにしますから」。
「私なんか普通の主婦ですよ。何をすべきか考えて実行するのが政治家の先生方の役目だと思うんですけどねえ」と早紀江さんは呆れたような口調で私に語った。
http://d.hatena.ne.jp/takase22/20101115

政府としての決定が、家族会や横田夫妻が大反対する方針になることも当然ありうる。その覚悟がないのは、安倍内閣北朝鮮との交渉にあたって、しっかりした方針を持って臨んでいないからだろう。
日朝協議の継続自体があやしくなってきた。