節季は大暑(たいしょ)。暑さの盛りだ。
23日から初候「桐始結花(きり はじめてはなをむすぶ)」。28日から次候「土潤溽暑(つち、うるおうてむしあつし)。8月2日からが末候「大雨時行(たいう、ときどきにふる)」。
太陽と雨で草木が生気を蓄えていく。
大暑とくればウナギ、枝豆にビールそしてスイカ(高いけど)だな。
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大地より尽きぬ命の草を取る (愛知県 新美英紀)朝日俳壇24日より
今どきの雑草のパワーはすごい。抜いても抜いても驚くようなはやさでまた生えてくる。ほとほといやになるが、それも「尽きぬ命」と見る感性がすてきだ。
歌壇では久しぶりに上田結香さんの歌が。選者3人に選ばれていた。
学校は「あだ名禁止」の流れだがあだ名しか思い出せぬ友がいる (上田結香)
いつものように「あるある」と微笑ませてくれる結香流だ。いじめの原因になるからとあだ名は禁止になっているというが、いやな世相だな。
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コロナ感染第7波での急激な感染者増で各地の医療体制が崩壊しかかっている。
毎回同じようなことが繰り返されるのを見ると、政治の貧困を感じてしまう。
日本の病床数は世界一と言われ、人口1000人当たりで比べるとドイツ7.9、英国2.4、米国2,8に対して日本は12.8。欧米に比べて感染者が少ないのに、すぐに医療崩壊するのが世界で不思議がられてきた。その背景は―
「日本は小さな病院が多く、独立採算制なので、院内感染が発生すれば休業を余儀なくされ、潰れるかもしれません。そうならないために、感染者を受け入れた病院は経営の主体から外して、潰れないようにする必要があります。」(7日のブログで紹介したエコノミストの原田泰氏) https://takase.hatenablog.jp/entry/20220707
そこで、感染者を受け入れた病院には補助金が出ることになり、2回目の緊急事態宣言が出された21年1月には、対象となった地域で「重症者向けの病床を確保した病院に1床あたり1950万円、中等症以下の病床には1床あたり900万円」まで拡大された。
「ところが補助金を受け取りながら、いざ患者の受け入れとなると、人手不足などを理由に断る病院も出てきました。実際に受け入れた病院だけが補助金を受け取れ、黒字化できるシステムにしないと、患者を誰も受け入れなくなってしまいます」(原田氏)
その結果、原田氏が20年度補正予算概要資料の「医療提供体制の拡充」に関連したものを合計すると「その額は7兆8467億円。これだけかけて、確保したコロナ用の病床は3万3908床で、実際そこに入院したのは2万3908人。1床約2億円というのはさすがにかかりすぎだと思います」
莫大なお金を投入しながら、有効な対策になっていないという。
一部の(と言っておこう)病院は補助金だけもらって患者を受け入れずに大儲け。その一方で、入院できずに亡くなる人が相次いだ。
これが今も繰り返されようとしている。
現場からのリアルな声を聴いてみよう。
朝日新聞の日曜版に「どんな患者も絶対に断らない」というポリシーを掲げる在宅診療クリニックの院長で訪問診療医の田代和馬さん(32)が特集されていた。彼昨年8月、コロナ第5波での田代さんの奮闘ぶりがテレビ各局で流れ、社会にショックを与えた。
きょうのTBS「ひるおび」にちょうど田代さんが生出演していた。いま「自宅療養者」が激増しているので、昨年と同じ惨状が懸念される。
「自宅療養」というと軽い症状をイメージするが、実際は往診依頼が殺到するなど重症度の高い人も多い。昨年の田代さんの仕事中の動画の一部を紹介する。
(テレビ朝日のニュース、2分50秒ごろから)
(テレビ朝日のニュース。5分5秒ごろから)
いつも受け持っている患者さんの他に保健所から依頼されるコロナの「自宅療養者」すべてを引き受けた田代さんが、その「地獄絵図」をこう語る。
「僕と同じような若くて昨日まで不通に働いていた人が、しんどすぎて動けず、布団の中に排泄をしたまま独りでいる。人としての尊厳を完全に失った状況が何件もあり、衝撃を受けました。リスク上医師しか家に入れないので、汚物のついたシーツを取り換え、できるだけ掃除して、診察をして・・・という作業をひとりでやりました。この国の首都東京で、こんなことが起きているんだと。
一方で、クリニック近辺の病院では、100床単位で病床が空いていた。コロナ病床として確保されているのに入院できない『幽霊病床』です。重症のときには受け入れないのに、いよいよ亡くなるというときにようやく入院できるというケースが何件もあった」(beより)
田代さんは上掲のニュース番組で、政治への注文をこう結んでいた。
「大きな反省にもとづかないと、次の実効性のある対策は立てられない。
場当たり的な政策立案よりも、根拠にもとづいた政策を立ててほしい」
菅政権につづき、まったく反省のない岸田政権。
原田氏はこう指摘する。
「緊急事態宣言中は、感染を恐れて通院を控える人も増えました。体育館のような広い空間にベッドと医療機器を並べて、手の空いた医師や看護師に来てもらえば、より少ない人員で対応できたにではないかと思います。大阪に大規模医療・療養センターができたのが21年9月30日。気づくのが遅すぎました」(The Big Isssue vol434より)
遅すぎてもいいから、エビデンスにもとづく効果的なコロナ対策を立ててほしい。