統一教会と近い政治家が安倍政権で出世した

 はじめにお知らせです。

 高世仁のニュース・パンフォーカスNo.28「プーチンとはいったい何者なのか?」(その2)を公開しました。大変遅くなり失礼しました。

www.tsunagi-media.jp

  ロシア軍はクラスター爆弾を使用する、反撃されないよう原発敷地を軍事基地化するなど、非人道的な攻撃を続けている。 
 ウクライナ原子力企業エネルゴアトムは20日ロシア軍が欧州最大級の「ザポリージャ原子力発電所」の施設内に兵器を隠すことを要求してきたことをSNSで明らかにした。同原発は3月上旬からロシア軍に支配されている。
 ロシア軍は原発には攻撃ができないことを逆手に取り、同原発を軍事基地のように使っているとみられてきた。これまでも、同原発の敷地内からウクライナ側に攻撃を加えてきたとされている。」(朝日新聞

 ロシアの非道への抗議を強めなければならない。
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 アフガニスタンで医療や人道支援に尽くした中村哲さんの軌跡を追ったドキュメンタリー映画『荒野に希望の灯をともす』が明日23日から中野区の「ポレポレ東中野」など各地で公開される。
 監督は中村さんを21年にわたって取材した日本電波ニュース社谷津賢二さん本ブログで何度も紹介した、私のかつての後輩だ。
https://takase.hatenablog.jp/entry/20201229

 谷津さんは98年から現地に25回入り、計450日滞在、制作した番組が15本というからまさにライフワークだ。

朝日新聞20日朝刊(多摩版)

ウクライナ侵攻で戦争が身近に迫る今、中村さんの生涯が静かに問いかける『ほんとうの平和』について考えてほしい」と谷津さんは語っている。
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テラエナジーの「でんき予報」20日


 これは私が契約している「テラエナジーという小さな新電力から通知されてくる「でんき予報」。自由市場での電気料金の値動きグラフだ。

 市場連動プランの場合はこれを参考にして料金を節約できる。一日でこんなに電気の値段が違うものかと驚く。夕方の6時半は朝8時のほぼ4.5倍だ。
 大手の電力会社は固定単価(決まった単価で掛け算する)での料金プランだが、その単価は割高に設定されているから要注意。

 いま新電力がピンチに立たされているので応援したい。(この問題については後日取り上げる)

takase.hatenablog.jp


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 さて、統一教会(通称)と政治の関係だが、統一教会自民党を中心に国会議員に深く食い込んでいる。

 有田芳生さんによれば、統一教会が本格的に日本の政界に働きかけを強めたのは1986年中曽根政権時の衆参ダブル選挙からという。直接的な目的は、教祖の日本入国を政治の力で実現することだった。

 アメリカで脱税容疑で1年6カ月の実刑判決を受け、日本に入れなかった文鮮明を日本に入国させようとしたのだ。

 文鮮明は92年3月25日に特例措置で14年ぶりに日本に入国している。それまで出入国管理及び難民認定法の規定で入国できなかったが、「北東アジアの平和を考える会」という国会議員の会合に出席する名目で、田原隆法務大臣から上陸特別許可が下りた。法務省入国管理局が金丸信から打診があったことを認めたため、金丸が法務省に対する政治的圧力をかけたのではとの疑惑を生んだ。(wikipediaより)

 なお、「北東アジアの平和を考える会」とは、強烈な反共を掲げていた文鮮明が91年、突然北朝鮮に行って金日成と握手、協力関係を約したことから、急遽6人の議員が立ち上げた会だった。

 3月31日、金丸は都内のホテルで文鮮明と会談を持ったほか、文鮮明は「日本の元閣僚を含めて計31人の国会議員が参加する「北東アジアの平和を考える国会議員の会」が主催する歓迎晩餐会に招待され、約1時間程度の講演をしたという。

誇らしげに伝える「世界日報

 こうした統一教会の政界工作に巨額のお金が動いたであろうことは想像に難くない。

 

 いま政治家が統一教会との関係に大慌てで対応を迫られている。シラを切ったり、釈明したり・・。

 Twitterで話題になっている一人が、自民党稲田朋美議員(63)だ。実は稲田議員は‘10年4月、統一教会の関連団体『世界平和女性連合』のイベント『春のつどい』に参加。その件について公式サイトの『活動報告』ページに掲載していたにもかかわらず、いつの間にか、その記述がなくなっていることが指摘されていた。(『女性自身』より)

 19日、『news zero』(日本テレビ系)のなかで、自民党青山繁晴議員(69)が自民党統一教会は「関係がある」と発言。青山議員は18日にも自身のブログで、先日の参院選で、ある派閥の長から「各業界団体の票だけでは足りない議員については、(旧)統一教会が認めてくれれば、その票を割り振ることがある」と言われたことも明かしている。

 テレビ、新聞が「および腰」のなか、16日には『日刊ゲンダイ DIGITAL』が旧統一教会と関係のある国会議員112人のリスト(鈴木エイト氏による)を入手。

www.nikkan-gendai.com

 第2次安倍政権以降は「統一教会から支援を受ける議員を政務三役などにどんどん登用してきた」、「2019年の第4次安倍第2次改造内閣では、閣僚20人のうち10人が旧統一教会関連だった」と報じている。

 自民党を中心に、衆院議員78人、参院議員20人が統一教会系の団体等との何らかの関わりが確認された。野党でも立憲民主党6人、日本維新の会5人、国民民主党2人が関わりを持っていた。

閣僚、党幹部の経験者34人(日刊ゲンダイより)

「以前だったら、これほどの関係が発覚すると大騒ぎになりましたが、第2次安倍政権以降、親密な関係が発覚しても報じるメディアはほとんどなく、大した問題にならないとタカをくくっていたと思います。教団系のイベントに来賓参加するなどした議員の政務三役への登用も顕著になりました。『頼まれてメッセージを送るくらいよくあること』と擁護する声もありますが、政治家の影響力を考えれば、これだけ問題のある団体に祝電を送ればお墨付きを与えることになる。それが新たな被害を生むかもしれないということは少なくとも考えるべきでしょう。『統一教会の関連団体とは知らなかった』では済まされません」(鈴木氏)

 やはり安倍氏統一教会との関係は、他の政治家との関係よりも一段と深く特殊なものがあり、さらに徹底した追及が必要だ。

統一教会と関係を持っておかないと安倍政権では出世できない!全国霊感商法対策弁護士連絡会 


 個々の政治家では、とりわけ統一教会とズブズブなのが、自民党の副総裁、外相などを歴任した高村正彦霊感商法の元締め「ハッピーワールド」という会社から高級車をもらっていた。1980年には統一教会の訴訟代理人として女性信者が「強制改宗」させられているとして、裁判所に人身保護請求を行い、その信者を解放させている。

 こうした統一教会と政治の関係のなかで、「政治の力」が発揮されたとみられる一つの例が統一教会の「改名」だ。

news.yahoo.co.jp


「1997年に僕が文化庁宗務課長だったとき、統一教会が名称変更を求めて来た。実体が変わらないのに、名称を変えることはできない、と言って断った」

 これは文部科学省事務次官だった前川喜平が2020年12月にツイッターに投稿したもの。前川氏は97年7月から1年間、文化庁文化部宗務課長をつとめていた。

 80~90年代に大きな社会問題となった統一教会(通称)は、世界基督教統一神霊協会」から「世界平和統一家庭連合」に名称を変更したいと認証を求めてきたという。名称変更で実態をゴマカし、組織維持を画策したわけだが、文化庁は突っぱね続けていた。それが、第2次安倍政権下の15年8月に認証したという。

 まさに「政治の力」である。

 統一教会と政治の関係が重要なのは、政治家が選挙で助けてもらったり、多額の講演料をもらったりすること自体ではなく、それが具体的な方針や政策に影響を及ぼすことだ。

 これは国益の根幹にかかわることで、徹底的に追及しなければならない。
(つづく)