母の葬儀も済んで、一段落というところだが、遺品の整理やら納骨の手配やらで気ぜわしい。同時に原稿の締め切りがあって、ブログを更新できずにいた
一昨日は母の部屋にあった家電や家具を中古買取業者に引き取ってもらった。この作業をするにあたって、買取業者7~8社に当たって交渉したが、この業界はほんとうにピンキリだと知った。広告では「家電も家具も買い取ります」とあるのに、結局は宝石やブランドバッグなどにしか興味がないことがわかる業者もあった。電化製品は買って5年以内のものしか引き取らない業者が多い中、とてもいい人に当たって、比較的新しい冷蔵庫を1万円で買い取ってくれたほか、無料で、あらゆる電化製品(エアコンから電子レンジ、扇風機、アイロン、空気清浄機、食器洗い機、DVDプレイヤー、炊飯器まで古いものばかり)、ヘルストロンという健康器具(古くて他の業者2社はNGを出した)、壊れかけた鍋や食器、古いソファや椅子、壁掛け時計や花瓶までごっそり持って行ってくれた。
あと一日で部屋の整理は終わりそうだ。
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今年2月、ミャンマーで大規模な特殊詐欺の拠点が摘発され、日本人を含む数千人の外国人が保護された。こうした拠点は何カ所もあって続々建設中だという。中国系裏社会の凄まじい財力とネットワークの広さ深さに驚く。
保護されて帰国した16歳の少年が、かけ子をやっていたとして詐欺容疑で先日愛知県警に逮捕された。

https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/b0de46366099f54f8c49a2167180479d6e7ced39
ミャンマーで驚いていたら、こんどはカンボジア北西部のタイ国境の町ポイペトで、特殊詐欺に関与したとみられる日本人29人が拘束されたというニュース。
「愛知県警によると、摘発の端緒となったのは、大手求人サイトに応募して現地に渡航した愛知県の男性(21)による情報提供だったという」。こっちも愛知県警か。
「現地では8人ほどの中国人の管理下で、日本人が警察官をかたる特殊詐欺の「かけ子」をしていたという。事務所と呼ばれる電話をかける場所は、中国人からモニター越しに監視されていたという。食事は毎日3食が配給されていた。
施設は塀に囲まれた場所にあり、大通りからは警備員がいる門を3カ所通らないとたどり着けないような厳重な構造になっていたという。
こうした情報をもとに、現地の捜査当局が5月27日、この詐欺拠点とみられる建物を捜索、日本人29人が拘束されたという。
東南アジアでは特殊詐欺の拠点の摘発が相次いでいる。警察庁によると、2019年から昨年までに、タイ、フィリピン、カンボジア、ベトナム4カ国の14拠点で日本人計178人が摘発された。フィリピンの拠点では19年に、一つの拠点では最多の52人が摘発されている。」(朝日新聞)
先日、私の携帯に「大阪府警の生活安全課」を名乗る男から電話がかかってきたが、カンボジアからだったかもしれない。「いまお話できますか」と聞かれて、ほんとに忙しかったので「忙しいんですけど」と言ったら切れてそのあとかかってこなかった。断らずに、どんな話で騙そうとするのか、ちゃんと聞いておけばよかったと後で反省。
実は2年前の23年5月、ある民放の番組に、カンボジアの特殊詐欺事情を取材する企画を出していた。もう少しのところで通りそうだったのだが、惜しくも番組にならなかった。あのときやっていれば、警告になって被害ももっと少なくて済んだかもしれない。犯罪の抑止も報道の役割の一つである。
情報が少し古くなっているが、当時の企画書をここに公開する。
(企画タイトル)
「カンボジア:ネット詐欺の世界センター、シハヌークビル~温床は政権の腐敗」
(企画の狙い)
特殊詐欺グループ「ルフィ」がフィリピンで摘発された直後の今年4月、警視庁はカンボジアから移送された特殊詐欺グループメンバー22歳から55歳までの19人を逮捕した。被害は全国で少なくとも75件、計約4億3000万円に上る。実はオンライン詐欺については、今やカンボジアが世界最大のセンターになっている。
彼らはカンボジア南部の港町シハヌークビルのリゾートホテルを拠点に、NTTドコモを装って日本国内の携帯電話番号に連絡先を記載したショートメールを送り、電話をかけてきた人に「有料サイトの未払い料金がある」とうそを言って電子マネーを購入させる手口を繰り返したとみられる。

シハヌークビルは、フンセン政権の後ろ盾である中国の一帯一路構想の下、莫大な資本投下でカジノやホテルが乱立し、巨大なチャイナタウンと化した。政権の腐敗につけこむ形で世界中から犯罪組織が入り込み、各国から集めた人材をリゾートやカジノの建物に閉じ込め、ネットを使った犯罪を行わせている。人材は他の組織に「転売」されることもあり、事実上の人身売買だ。
投資詐欺、結婚詐欺、ゲーム詐欺、賭博など手口は多様だが、共通するのはネットによる犯罪。多くの場合、求められる人材はITに精通する若者で、台湾からは2千人、ベトナムからは千人以上、インドネシアからは5百人以上連れて来られたと見られている。英語を使った詐欺にはアメリカ人をはじめ英語圏の若者もリクルートされている。
台湾当局が去年カンボジアに送られた629人を調べたところ、ほとんどが 24歳から29歳までの青年だったという。大学は卒業したが適当な就職口に恵まれない人などに、高額の報酬を提供するとだまし、カンボジアに呼び寄せ、旅券を取り上げ監禁下において「仕事」をさせるのだ。環境は劣悪で不満を言ったり逃げようとしたりすれば拷問され、亡くなった人もいるという。
日本からは2011年の「暴排条例」施行後、シノギがしにくくなった暴力団が進出。「うまい話」でリクルートした人を送り込んで特殊詐欺をやらせてきた。
昨年3月には、インドネシア、ベトナム、タイ、パキスタン、中国の5ヶ国の大使館がカンボジアでの「強制労働、奴隷化、拷問の危険」を警告しており、これに35の組織がカンボジア政府にこの事態の緊急対応を求める事態に発展。国際的な非難を受けて、フン・セン首相は9月に人身売買などの取り締まりを強化するよう指示を出した。

カンボジア当局は273人を逮捕し、だまされて連れて来られるなどした3,740人の外国人を保護し本国に送り返す措置を取ったと発表した。
しかし、犯罪組織と警察や行政との癒着は根深く、摘発は形だけで今も同様の犯罪が続いているといわれている。さらに政権トップにまで食い込んでいると匿名で指摘する人権活動家もいる。
「摘発」を受け、犯罪組織はまだ警戒されていない国々、インド、パキスタン、ネパールからエチオピア、ケニア、ブラジルへとリクルート網を広げている。
就活から婚活、さらには「闇バイト」など犯罪の人材調達までがネットで行われる時代に、カンボジアで起きている事態は他人事ではない。まだまだ闇に包まれた実態に迫り、視聴者に警鐘を鳴らす。
もし番組企画が通っていたら、かなりヤバい取材になっただろうと思う。なにせチャイニーズマフィアの悪事を暴こうというのだから。