数増えていくのはいいねホームラン (福島県 山口ちい子)
今朝の朝日川柳より
東京のコロナ感染者数の急速な増加と都議選での敗北に「外堀を埋められ」(各紙解説)、ついに緊急事態宣言下での五輪開催となり、東京と近隣県での競技は無観客に決まった。
東京都に4回目となる緊急事態宣言(12日~8月22日まで)の発令を決めたきのう夜の記者会見では、死んだ目の菅首相が、記者の質問にはまともに答えずに「全人類の努力と英知で難局を乗り越えていけることを東京から発信したい」、「安心安全な大会を成功させ、歴史に残る大会を実現したい」と用意したカンペを読み上げるいつもの光景に、もう憤りしかなかった。今からでも五輪中止!
しかも「先手先手で予防的措置を講ずることとし、東京都に緊急事態宣言を今ひとたび発出する判断をした」とのたまわったのだ。どこが「先手」なんだ!?
こんなとき、多少でも気分が晴れるのが大谷翔平選手の活躍だが、これって「平和ぼけ」かな?
突出した実力に加えて、ルックスがよく、性格もよさそうだ。世界に誇りうる日本人と言っていいだろう。
政府のダメさ加減にへきえきさせられるいま、日本っていいな、と思えることをもっとさがしたい。
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きょう午後は、ある用事で、佐高信さんにお会いした。
佐高さんというと、メガネの奥に細い怖い目を光らせて権力批判をくりひろげる評論家で、以前はテレビにひんぱんに出ていたが、過激だと敬遠されてか、最近はあまり見なくなった。
執筆活動は今なおさかんで、ケンカもよく吹っ掛けている。
(ある用事というのは佐高さんと佐藤優氏の裁判のことで、これについてはいずれ書くこともあるだろう)
https://news.yahoo.co.jp/articles/3b1eed815e537f5e496d75632c3462cce7257051?page=1
初対面だったのだが、とても気さくな方で、同じ山形県出身ということもあり、サクランボの品種の話(佐藤錦より紅秀峰の方がうまいとか)やら同郷の藤沢周平、石原莞爾、大川周明の話で楽しくおしゃべりしてきた。勉強家で人脈の広さには驚く。
別れ際、佐高さんの『石原莞爾 その虚飾』(講談社文庫)を勧められたので、読んでみよう。
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先日の『朝日新聞』の「ひと」欄にテレビディレクターの金本(かなもと)麻理子さんが紹介されていた。
金本さんは、レバノンのシリア難民を取材したドキュメンタリーで今年の「放送人グランプリ」の大賞に選ばれた。
《戦争という巨大な力に振り回される市民の姿を、自らカメラを回し追い続けるディレクター・金本麻理子さんの仕事が、2020年は「レバノンからのSOS~コロナ禍 追い詰められるシリア難民~」(NHKBS1スペシャル7月)、「世界は私たちを忘れた~追いつめられるシリア難民~」(NHKスペシャル 10月)という形で結実したことを評価する。
金本ディレクターの人の懐に飛び込む能力、特に家庭の中に入りこみ日常を撮影する力は傑出している。今回も「撮る力」がフルに発揮され、売春、臓器売買、DVなど壮絶な難民キャンプでの実態が記録された。撮影中に起こったコロナ感染拡大は、弱者として切り捨てられる人々の姿をさらに炙り出した。世界で最も過酷な現場に、一人カメラを持ち込み、女性と子どもに寄り添い、映像記録した意義は大きい。》(授賞理由)
受賞対象になったうち、去年7月のNHK BS1スペシャルの「レバノンからのSOS~コロナ禍 追いつめられるシリア難民~」では、ギャラクシー賞月間賞受賞、第75回文化庁芸術祭 テレビ・ドキュメンタリー部門優秀賞受賞を受賞している。
私は彼女の番組を観て大いに感動し、このブログにこう書いた。
「テレビの報道ドキュメンタリーとしては、ここ数年では最高傑作だと思った。NスペはNHKの組織力と莫大な予算を生かした大型調査報道がウリだが、これは金本麻理子氏が一人で撮影もディレクションも編集もやった作品。
売春、臓器売買、焼身自殺・・と極限まで追い詰められたコロナ禍のなかのシリア難民の実情を単独取材で驚くほど深く掘り下げている。絶望の中に射す一筋の希望の光を女性たちの生き方に見出すエンディングもすばらしい。」
あらためて番組評を書くと予告してそのまますっぽかしてしまったが、きっと大きな賞をとるだろうと思っていた。
「短大を出て制作会社に勤めていた26歳のとき、在日フィリピン人の番組を任され、『人の生きる力を実感させられる』と密着取材のとりこに。勤め先の倒産を機に、思う存分現場に入りたいと、コツコツためた450万円を取り崩して38歳で制作会社を立ち上げた」(「ひと」より)
「勤め先の倒産」って、私の会社じゃありません。(笑)
テレビ界の劣化をさんざん批判してきたが、こういう志の高い人がいることに希望をつなぎたい。