総務省接待問題の幕引きを許すな2

 きのうは畑に出た。
 Workmanで求めたゴム手袋、防水靴、作業ジーンズを身につけて。
 風が冷たかったが、陽が射してくれてありがたい。
 作業はネギ畑の雑草とり。一面に咲いている紫の花、これをとるという。ホトケノザではないか。可憐であってもネギを育てるという視点から見ると、雑草は雑草、むしりとるしかない。

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 ただ、ホトケノザを一掃するのと、このまま繁茂させる場合とで、ネギの収穫がどれほど違ってくるのか。つまり雑草取りの効果だが、ご存じの方は教えてください。

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花が咲き始めた広島菜

 作業を終え、小松菜、ほうれん草、広島菜、からし菜、白菜、ブロッコリーをお土産に帰途についた。
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 27日の『報道特集』で総務省接待問題を特集していた。突っ込んだ特集で、とても参考になったので一部を紹介したい。
 
 まず現内閣広報官の山田真貴子氏だが、2013年、安倍内閣で初の女性初の首相秘書官に就任。

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山田氏は首相秘書官に

 当時官房長官だった菅氏は山田氏について周囲に「総務省初の女性次官にしてやる」と語っていたという。
 その後、総務省で官房長や総務審議官などいずれも女性初のポストを歴任してきた。
女性官僚の出世頭といえる。

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「飲み会を絶対に断らない女」

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ありえない!

 ついで菅首相の長男、菅正剛氏
 菅氏は総務大臣だった2006年、当時25歳の正剛氏を大臣秘書官にした

 長男を大臣秘書官に起用したことについて、雑誌(『週刊プレイボーイ』09年6月22日号)のインタビューで菅氏はこう語っている。
「・・何ヵ月かね。(当時)うちは第一秘書、第二秘書を選挙に出したんです。人がいなかったの。そんだけ

Q:当時、長男は政治活動に関心があったのか
「・・バンドをやってたの。・・バンドの人が体を壊して辞めて(長男は)プラプラしていたから、その間だけ。選挙の間だけ」

 謙遜して言っているのかもしれないが、政治に関心のない息子がバンドを辞めて「プラプラして」ヒマだったから秘書官にという人選はいかがなものか。

 その正剛氏は2年後の2008年に「東北新社」に入社した

 今回問題になっているのは、5年前から行われていた「東北新社」による総務省幹部の接待だが、そこにどんな意図があるのか。
 接待時期、当時の役職、場所、金額などが記された接待リストを見て、かつて総務官僚だった小西洋之参院議員立憲民主党)がこう語る。

すごく戦略的な接待をやっています。次に放送部局の責任者になる人を事前に接待している
 例えばこの秋本さんという方は、(接待当時)携帯電話などを所管している電気通信事業部長。こういう携帯電話などを担当する部長から次に放送担当の部長になるというのが、人事で見えるんですね。
 最高幹部の(接待の)ときには、息子さんが(同席して)いるわけですよね。最高幹部のときの出席率は息子さん8割ですね。」

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接待リストから「戦略」が見えるという

 菅正剛氏は当時、「東北新社」の部長だったが・・
「放送担当の局長に、業界の会社の部長さんがご挨拶するというの、まず無理です。
 関係会社の部長さんでしたらせいぜい課長補佐。放送行政にいた私としては違和感を感じます。
 (菅氏の長男は)幹部クラスを呼び出すための要員。菅総理の長男から接待メンバーとして声を掛けられれば、総務省の最高幹部は断れない。
 逆に失礼をしたら、とんでもないことになるだろうと」

 処分された官僚は、小西議員のかつての上司だったという。
「直接、私、部下として仕えた方なんですけど、違法な供応接待を受けるような方では決してないです
 なぜ、こんな明々白々な、本人たちも分かっていたはずの違法行為を、接待を受けなければいけなかったのか、そこの問題はまだなんら解明されていない」

 民主党政権時代、総務大臣だった原口一博立憲民主党衆院議員)が語る。

 「ちょうど名前が出ている人たち、私が大臣のとき、バリバリやってた人たちなんです。正直つらいです。情報通信のまさにこの人たちが日本を背負ってきた人たちなので。何でこんな初歩的なミスをするのかと。」

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Q:(原口氏が)大臣時代、部下が接待を受けてたという話は?
「ありえません。むしろ人間らしい働き方をしてくれということで、早く(部下を)家に帰した人を上(のポスト)にあげていったんで」

 原口氏はさらに、今回処分を受けた幹部のうち2人が、相談に訪れていたことを明らかにした。
「来たんです。相談に。あの二人が。今回、これだけ大きくなる前にですね。謝りにきたんです。すいませんって。
 (私は)全部本当のことを言いなさいと、最大の危機管理は、正直であることだと言って帰したんです。でも、うそを言ったでしょ。人事と自分のあとの人たちまで祟ると思っているんじゃないですか。」

 「うそ」というのは、参考人として招致された幹部の虚偽答弁だ。
 総務省前情報流通行政局長の秋本芳徳氏は、はじめ「(接待のとき)衛星放送の話が出たかどうかという記憶はない」と答弁したが、音声データが公開されると、「今となっては、木田氏(スターチャンネル社長)や菅氏からBS、CSスターチャンネルに言及する発言はあったのだろうと受け止めています」と発言を翻した。

 ここまで事実と異なる答弁が続けば、国会の役割が崩壊すると危惧するのは、憲法学の高見勝利氏上智大名誉教授)だ。

首相レベルで誰がどう見てもウソであるということが、しゃあしゃあとまかり通って、しかもウソを裏付けるような資料しか役所が出してこないという事態になったのは、どう見ても第二次安倍政権以降。それを今の政権が引き継いでいる
 そのへんのところをどうしていくのか。もっと真剣に本格的に検討しなければいけない問題ではないかと思っている」

 処分された官僚たちを知る原口氏や小西氏のコメントからは、官僚たちが被害者に見えてくる。
 「日本を背負ってきた」優秀な、根は真面目な官僚たちが、接待を受けざるをえなくなり、「人事と自分のあとの人たち」を守るためにウソまでつく。
 財務省近畿財務局の赤木俊夫さんが自死に追い込まれたのと同じ構造だ。
 国民の行政への信頼を破壊し、行政を麻痺させ、公務員のモラルを低下させるのはトップリーダーの恣意ではないか。

 今回の総務省接待問題、このまま幕引きを許してはならない。