終わっていない常岡拉致事件

常岡浩介さんがきょう、ツイッターにこう書いている。(時間順)
《今、オスロのアフガン人の友人アジマールから連絡が入りました。「ジャララバードの家族がイスラム党らしき人々から脅迫を受け、カブールへ脱出した。なんとかならないだろうか」》
アジマール氏とは、常岡さんの取材協力者だ。普段はオスロに住んでいるが、取材のためにアフガンに帰国して常岡さんの取材に同行した。
イスラム党とは、6日のブログで出てきた誘拐犯の属する「ヒズビ・イスラミ」という政党=軍閥。つまり、誘拐犯が、常岡さんの協力者の家族を脅しているということだ。
《「家族はラティフのことを恐れてはいない。その党内での上役に当たるサバアウン大臣のことを恐れている」と、アジマール 》
6日のブログで紹介した常岡さんのツイートでは、誘拐犯をこう表現していた。
軍閥ラティブはカルザイの顧問サバアウン大臣の、ヒズビ・イスラミ内の部下に当たり、カブールに事務所も持って、政府の人間として堂々と暮らしている人物」。(注:ラティフがより近い発音だという)
《アジマールの家族にはお世話になりましたが、そのことで今度は彼らが脅威に晒されているらしい。事件は終わっていなかったようです》
この家族が無事でありますように。
自分の取材活動が原因になって周りの人に不利益が及ぶのは、取材者としては最も避けたいことだ。
心配する常岡さんは、アフガンで拉致される直前まで一緒だったジャーナリストの久保田弘信さんに《久保田さん、カブールのUNHCRにはお知り合いがいらっしゃいましたよね。味丸(注:アジマール)の家族を紹介してあげられないでしょうか?》とツイートしている。
その久保田さんがツイッターでこんなことを書いている。
《僕はフリーなので、下記情報を直接聞いていない。 9月6日外務省から「退避勧告地域における取材活動について」メモ(通告)が記者クラブ加入報道機関(新聞、TV)に。「カメラマンおよびフリーの契約ジャーナリスト等が退避勧告地域に入ることに関しては今後協力は出来ない」》
上杉隆さんがニュースターの番組で放送しているようだ。
これはジャーナリストに対する脅迫である。
常岡さんの拉致事件は、アフガンだけでなく、わが日本のあり方をもあぶりだしている。