タリバンが京都にやってきた

takase222012-06-29

27日、同志社でアフガン和平を語る会議が開かれ、敵対する各派(カルザイ政権、タリバン、ヘクマチヤル派)が一堂に会した。
民間主導の画期的な試みだ。私も京都まで取材に行った。
写真は、あのタリバンのザイーフ師。大接近して撮影した。
彼は米軍に拘束され、2005年までグアンタナモに収容されていた。今はカブール郊外で政府の監視下で暮している。
アフガンで誘拐されたジャーナリスト、常岡さんは、誘拐直前、カブールの自宅で彼をインタビューしている。常岡さんはザイーフ師を「かわいい」と評し、「ザイーフたん」と呼ぶほど親しみをもっている。撮影したのは、くつろいでいるときで、やさしい目をしている。
この会議を、朝日新聞が大きく報じた。

アフガン当事者ら京都で対面 和平協議への糸口となるか

アフガニスタンカルザイ政権と反政府武装勢力タリバーンの代表が27日、京都市で開かれた国際会議で顔を合わせた。今なお戦闘状態にある両者の主張は平行線をたどったが、公の場で前例のない接触が実現したことで、対話へ向けた機運が高まる可能性がある。
 両者が参加したのは、同志社大学大学院グローバル・スタディーズ研究科主催の「アフガンの和解と平和構築の国際会議」。タリバーン側から参加したディン・ムハマド氏は、2001年に崩壊したタリバーン政権の閣僚経験者で、現在は最高指導者オマール師直属で外交部門を統括する「政治評議会」(約10人)のメンバーの一人。
 政権側の代表は、スタネクザイ大統領顧問。タリバーンとの和解策を担う高等和平評議会の事務局長を兼務する。昨年9月、同評議会議長のラバニ元大統領がタリバーンの使者を装った男の自爆テロで暗殺された際、自身も同席していて重傷を負った。その後、大統領はタリバーンとの和平協議断念を表明していた。
 治安維持権限が国際部隊からアフガン側へ完全移譲される14年末以降も米軍の駐留に道を開く米アフガン戦略的パートナーシップ協定について、ムハマド氏は「協定の名の下に占領を引き延ばすのならば、問題解決にはならない」と指摘。駐留軍の早期撤退を繰り返し要求した。
 一方、スタネクザイ氏は権限移譲の意義を強調しつつ、「国際部隊が完全撤退すれば再び内戦に陥る」と懸念を表明。両者の主張は真っ向から対立した。
 中東カタールで米国と接触してきたタリバーンだが、カルザイ政権との協議は拒否してきた。スタネクザイ氏が「和解へ向け、すべての立場の人に参加を求めたい」としたのに対し、ムハマド氏は、あくまで外国部隊の撤退が条件とする姿勢を崩さなかった。
 ただ、ムハマド氏は「政権側の主張には受け入れられないものがあった」としつつ、「我々の意見を主張できて良かった」と評価。7月に東京で開かれる復興支援会議など公式協議の場にも「招待されれば参加したい」と述べ、これまでの武装闘争一辺倒から、転換する姿勢を印象付けた。
 両氏は対面した際に抱擁を交わし、「あいさつ以外の話も少しした」(スタネクザイ氏)という。
 会議には、タリバーン政権の駐パキスタン大使で、後に離脱したザイーフ氏や、別の反政府勢力ヘクマチアル元首相派のバヒール政治局長も出席した。
 同志社大学大学院の内藤正典教授(現代イスラム地域研究)は「タリバーンが体系的に主張を説明したことは画期的だった。今後の和平協議につながる機会になったと思う」と話した。(中野渉)

アフガン情勢は膠着状態のまま、戦闘が激化しているが、こういう民間の努力が和平の糸口になればと期待している。