祝!常岡さん解放

takase222010-09-05

午後1時ごろ、入院している父を見舞いに行こうと駅に向かっていたら、アフガンのジャーナリストから携帯に電話が入った。
「常岡さんが解放された」との情報が現地で流れているが、日本大使館はノーコメントを繰り返しているとのこと。
直後、在京テレビ局の友人から電話がかかってきた。「日曜だというのに、外務省のテロ対策関係の職員がみな出てきている、何かあったに違いない」という。
各所に電話をしまくるが、確認できない。

長崎の常岡さんのお母さんに電話して「外務省から浩介の身柄を保護したとの連絡が入っています」と聞き、はじめて確認できた。お母さんによれば、電話が入ったのは朝3時ごろで、浩介さんとも直接に話したという。
この5ヶ月を越す日々、親御さんとしては、どんなに心配だったろう。本当におめでとうございますとお祝いをのべた。
《【カブール共同】アフガニスタンで行方不明になり、アフガン治安当局が反政府武装勢力タリバンに拉致、監禁されていると断定していたフリージャーナリスト常岡浩介さん(41)が解放され、4日にカブールの日本大使館で保護されていたことが分かった。けがなどはないという。(略)
 「誘拐された」との情報が4月1日に知人に届き、在アフガン日本大使館に通報して以来、約5カ月ぶり。常岡さんの母親によると、5日未明に長崎県島原市の自宅に常岡さんから「大使館に今着いた」との電話があったという。
 アフガン治安当局によると、タリバン側は解放の条件として身代金を要求し、治安当局との間で数十万ドル(数千万円)の金額で交渉。関係者によると、常岡さんのアフガン人の知人も仲介者を通じて独自の解放交渉を行っていた。
 アフガン・イスラム通信によると、常岡さんは北部クンドゥズ州ダシュテアルチ地区で解放された。身代金は支払われていないという。同通信は、地元消息筋の話として、常岡さんを監禁していたタリバンの地元司令官がラマダン(断食月)明けの祝祭を前にイスラム教徒である常岡さんを解放したとしている》
実は、2ヶ月前から、犯人グループにルートを持つ現地ジャーナリストから「ラマダンを機に解放される」との情報が流れていた。http://d.hatena.ne.jp/takase22/20100819
今年のラマダン(断食月)は8月11日から9月10日で、私はラマダン入りの前に解放されるとばかり思っていた。この情報は、常岡さんのお母さんにも伝えていた。ところが常岡さんは出てこない。期待を持たせて申し訳ないと思っていたところだった。
犯人グループは、ラマダン明けを家族と一緒に祝うことができるようにと配慮したのだろう。もし、アフガン・イスラム通信が伝えるように身代金なしの解放であったとすれば、常岡さん自身がムスリムで、しかも現地の言葉に近いペルシャ語を話せることが大きかったと思う。
ひょっとして本人と話せるかと思い、常岡さんの携帯に何度かかけてみたが、つながらなかった。お母さんによれば、携帯電話も撮影機材も取上げられてしまったらしい。
一昨日のツイッターは何だったのかなど、聞きたいことはいろいろあるが、とにかくよかった。乾杯。