拉致された常岡さんからツイッター

takase222010-09-04

夜遅く、帰りの電車でツイッターを開くと、驚いたことに常岡浩介さんからのツイートがある。日本時間の夜10時半くらいに発信されたようだ。
誘拐後の彼からの初めてのツイートである。誘拐された人が監禁場所からツイッターで連絡してくるとは・・・!
おー、生きているんだ、とうれしくなり、私はすぐにツイッターで、常岡さんに励ましのメッセージを出そうと呼びかけた。
ネットにすぐに速報が載った。
《【カブール共同】アフガニスタンで行方不明となり、反政府武装勢力タリバンに監禁されているとみられるジャーナリスト常岡浩介さん(41)のインターネット上の短文投稿サイト「ツイッター」に3日、「私はまだ生きているが、拘束されている」とする英語の書き込みが記された。
 常岡さん自身が書き込んだかは不明だが、本人の可能性がある。
 またその後、「ここは(北部)クンドゥズ州アルチ。ラティフ司令官の拘束下にある」とも英語で書き込まれた。同州アルチは実在の地名》
常岡さんからのツイートは以下の二つの英文のメッセージだ。
“i am still allive, but in jail.”
(私は生きているが、牢獄にいる)
“here is archi in kunduz. in the jail of commander lativ.”
(ここはクンドゥズ州のARCHIというところで、LATIV司令官の牢獄にいる)
これは常岡さん自身が送った文章なのだろうか。
here is というのは、本来は「・・がある」なのだが、「ここは・・だ」という意味で使っている。よく日本人がやる小さな文法的な間違いである。
英語であること、短い二本のツイートだけであることから、常岡さんが自由にツイッターにアクセスできる状況ではないと思う。犯人グループの許可のもとで書き、送った文章なのだろう。
だとすれば、なぜ居場所と現地を仕切っている司令官の名前を書くのを許したのだろうか。ふつうなら犯人が監禁場所を明らかにすることはないはずなのに、「ほら、おれたちはここにいる」と言いたげである。
これは犯人グループが、自分たちと早く交渉をまとめろとアピールしていると私は解釈した。先日、テレビ朝日が常岡さんの動く映像を流したが、ビデオを撮影させたのもこうした動きの一つだと思う。犯人グループは焦っているのだろう。逆にいうと、交渉がうまく進んでいないことを示唆している。
交渉についてはこんな記事がある。
《8月下旬からアフガニスタンなどを歴訪した衆院海賊テロ特別委議員団=団長・石田勝之議員(民主)=は3日、在仏日本大使館で記者会見し、アフガンで会談したカルザイ大統領が、イスラム原理主義勢力タリバンに拉致されたとみられるフリージャーナリスト、常岡浩介さんについて、「(拉致犯と)突っ込んだ交渉を行っている」と述べたことを明らかにした。拘束されている地域にも言及したという》(産経)
日本語でメッセージを送れば常岡さんに届くだろう。日本語の読めない犯人グループは、常岡さんに「何て書いてあるんだ」と見せるだろうから。
常岡さん、もう少しなので、元気でいてください。