10日の参院選は大方の予想通り、自民党の勝利、維新の議席増という結果になった。
反骨を捨てたメディアの勝利かも (神奈川県 小泉親種)
赤木さんも安倍さんも同じ一人 (東京都 河本満宣)朝日川柳(12日)より
応援した有田芳生さんは当選できなかった。とても残念だ。
有田さんは拉致問題だけで200本近い質問主意書を出していて、ダントツの見識と実績がある。有田さんが国会にいないと、私に言わせれば「間違った方針」が正されるのは困難で、拉致問題の進展は当分望めないだろう。
今なお北朝鮮に留められている田中実さん、金田龍光さんはじめ拉致被害者と日本で彼らを待つ人々のために悲しむ。
きょう、安倍晋三元総理の葬儀があり、ニュースでは「拉致問題の解決に尽くした」云々のナレーションが流れたが、実は安倍氏が拉致問題の進展に努力したとは言えず、むしろ「間違った方針」をとってきたと私は本ブログで主張してきた。政治家は死後も事実に基づいて責任を問われるべきだと思うので、あえてここで指摘しておきたい。
選挙が終わってようやく通称「統一教会」(世界平和統一家庭連合)問題が報じられるようになった。遅い!
海外では早々と「統一教会」の名を挙げて報道されるなか、9日の「報道特集」や10日の「サンデーモーニング」までもが「宗教団体」としか言わなかったので苛立っていた。
この事件は、容疑者が安倍氏の「政治信条に対する恨みはない」と言っているように、いわゆる政治テロではない。
自分の家庭を壊した統一教会への恨みから、そのリーダーを殺害しようとしたがかなわず、かわりに統一教会を支援している安倍氏を狙ったという。
統一教会は「反社会団体」のカルト宗教であり、政治の世界にも影響力を広げようとしている危険な勢力である。この統一教会と安倍氏ら日本の政治家との関係こそが今問われなければならない。
『ビジネスジャーナル』がまとまった記事を出していたので、以下引用する。
https://biz-journal.jp/2022/07/post_306604.html
安倍家と統一教会の関係は、安倍氏の祖父で元首相の岸信介氏の代にまでさかのぼる。岸氏は1970年代に複数回におよび統一教会本部で講演を行い、創設者で総裁の故・文鮮明(ムンソンミョン)氏と会談を行っていたことが明らかになっており、安倍氏の父で元外相の安倍晋太郎氏も統一教会の政治団体・国際勝共連合の推進議員としてその機関紙で紹介されていた。
そして安倍氏本人と統一教会の関係も長い。2006年に福岡で開催され、創設者の韓鶴子(ハンハクチャ)氏らが出席した統一教会の大会では、当時小泉政権の内閣官房長官だった安倍氏が祝電を送付。また、「しんぶん赤旗」によれば、昨年9月に統一教会の関連団体・UPF(天宙平和連合)が開いた集会に安倍氏は
「韓鶴子総裁をはじめ、皆さまに敬意を表します」
「UPFの平和ビジョンにおいて、家庭の価値を強調する点を高く評価いたします」
などと語るビデオメッセージを寄せていた。ちなみに韓鶴子氏はUPFと統一教会の総裁を務めている。このほか、統一教会の機関紙「世界思想」の表紙にたびたび安倍氏の写真が掲載されてきたことも知られているが、統一教会による霊感商法被害者の救済活動を行う全国霊感商法対策弁護士連絡会は昨年9月、安倍氏宛の公開抗議文で次のように綴っている。
<家庭連合は、統一教会と名乗っていた頃から、信者の人権を抑圧し、霊感商法による金銭的搾取と家庭の破壊等の深刻な被害をもたらしてきた反社会的な団体であり、家庭連合に名前を変えてからもその体質は変わっていません。かつての霊感商法、合同結婚式に関する多くの批判的報道から時間が経過したことで統一教会の実態を知る国民が減っている中で、政治家によるお墨付きは、統一教会による反社会的な活動を容易にし、また、その反社会的活動の是正を困難にするものとして悪用されます。これは、政治家にとって、決して本意ではない筈です>
<(編注:UPFの)WEB集会において、安倍晋三前内閣総理大臣の基調演説が発信される事態が生じました。これを統一教会が広く宣伝に使うことは必至です。上記要望書の要望を全く無視したものというほかなく、当連絡会としては深く失望し、今後の被害の拡大に強く憂慮しております。
安倍先生が、日本国内で多くの市民に深刻な被害をもたらし、家庭崩壊、人生破壊を生じさせてきた統一教会の現教祖である韓鶴子総裁(文鮮明前教祖の未亡人)を始めとしてUPFつまり統一教会の幹部・関係者に対し、「敬意を表します」と述べたことが、今後日本社会に深刻な悪影響をもたらすことを是非ご認識いただきたいと存じます>
7月11日付「FLASH」ウェブ版記事によれば、同弁護士連絡会が把握している統一教会による霊感商法の被害相談額は、05年12月までで総計2万6000件、940億円におよぶといい、実際に全国各地で元信者やその家族らから統一教会を相手取り、違法な手段で献金をさせられたとして損害賠償などを求める裁判が数多く起こされ、違法性を認める判決が出ている。
ちなみに同弁護士連絡会に所属する紀藤正樹弁護士は12日放送のテレビ番組『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日系)に出演し、
「統一教会がカルト的な集団であることは間違いなくて、社会規範との逸脱性が激しいからです」
と断言しているが、全国紙記者はいう。
「安倍政権下で首席秘書官を務め、今回の参院選で当選した井上義行氏(自民党/比例代表)が、昨年行われた統一教会の集会に出席して『井上先生はもうすでに信徒になりました』と紹介され、井上氏も『私は大好きになりました』とスピーチしていたことが問題視されているが、過去には自民党議員や秘書のなかに統一教会信者がいたことが公になったこともあったように、統一教会と政界の関係は今に始まったことではない。選挙活動を統一教会のリソースに頼っている、“教団丸抱え”といってもいい議員もいるくらいだが、政界、特に自民党と統一教会の関係は今改めてしっかりと検証される必要がある」
ちなみに前出の紀藤正樹弁護士は『モーニングショー』内で、統一教会による献金集金の実態について、次のように語っている。
「高齢者の方の“なけなしのお金”をですよ、霊感商法で奪って、それを統一教会に捧げることがですね、それが相手の救いになると思ってるんですね」
「昨日の(田中富広・統一教会会長の)会見でも『破産に追い込むまでない』って言ってましたけど、そんなことないです。『早く現金』っていって、統一教会のなかで『HG』っていってですね、借金献金のことなんですよ。統一教会にお金を捧げていくと、不動産売ることになる、現金は全部支払うことになる。最後、何も財産ない。そうすると『借金してでも献金しよう』なんです」
「そのときに統一教会の現場では何が教えられているかというと、『どうせ破産なんだから、どんどん借りてこい』っていうんですね」
「末端信者の方たちは『万物復帰の教義ですべてを捧げなさい』と言われている。実際の現場では『全てをいっぱい捧げることが自分の罪の清算になるし、先祖で苦しむ人の救うことになる』と教えられる。自分の財産すべてを提供することが、とても統一教会信者にとっては重要になる」
「霊感商法で購入した代金、それ以外にいろんな献金があるんですよ。数百万円いくものもあって、ひどい人だったら数千万円の被害っていうのはザラにあるんですね」
改めて統一教会による被害の実態解明が求められているといえよう。
(文=Business Journal編集部)
安倍氏がUPF(統一教会傘下団体)にビデオメッセージを送ったことを重大視した全国霊感商法対策弁護士連絡会は、安倍氏宛に公開抗議文を送っていたのである。
安倍氏は明らかに一線を超えていたというほかない。
なお、記事に登場する井上義行氏(今回当選)そして統一教会丸抱えとされる山谷えり子氏(今回当選)はともに拉致問題に「尽力」していると自賛している議員たちで、これを見ても、今後の拉致問題の行方が憂慮される。
一方、有田芳生さんは、ジャーナリストとして長く統一教会を追及、批判してきた。今こそ出番ではないか。
とりあえず今日のところはここまで。