ウイルス禍で適用が緩和される生活保護制度

 節季は清明に入った。澄んだ空のもと、たくさんの命が輝くことをあらわす言葉だという。
 沖縄では墓前で親類縁者が宴をはる「清明祭」(シーミー)が行われる季節だが、これもウイルス禍で自粛になっているのだろうか。

 初候「玄鳥至」(つばめ、きたる)が4日から。次候「鴻雁北」(こうがん、かえる)が9日から。末候「虹始見」(にじ、はじめてあらわる)が14日から。
 つばめが南からやってきて、雁が北に去っていき、雨のあとに虹があらわれる。暦の上では晩春である。
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 きのう今日あたりは、地球と月との距離が今年もっとも近くなるスーパームーンだそうだ。
 今夜は晴れて満月がよく見える。
 月はどうやってできたのか。

 46億年前、太陽系が形成されつつあったころ、灼熱の地球ともう一つの原始惑星「テイア」は太陽の周りをまったく同じ軌道で回っていたという。ふつう、惑星の軌道はたがいに遠く隔たっているので、二つが同じ軌道とは奇跡的だが、この二つは公転のスピードが違っていたのでぶつかってしまった。
 そのときのものすごい衝撃で、月が分離してきでたと考えられている。

 「間もなく月は、地球を安定させる重要なはたらきをするようになった。まず月の重力は、テイアとの衝突のせいでよろめいていた地球を救った。さらにそれは、地球の自転をスローダウンさせ、長い年月の間に、地球の自転速度は1日4時間から1日24時間へと変わっていった。地球と月は、何十億年にもわたってパートナーとして太陽のまわりをともに踊り続けてきた。手に手をとり、顔を見合わせて優雅にリンクを回る、ふたりのアイススケーターのように」(『137億年の物語』文藝春秋P16)

 地球を回るごとに月は一自転する。だから月はいつも同じ面だけを地球に見せている。顔を見合わせるアイススケーターとはおもしろい比喩だ。
 もともとの生れからいえば、地球の兄弟星だと知ると、ぐっと親近感がわいてくる。
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 ご案内です。
 このほど朝日新聞の記事をもとにコラムを書くことになりました。
 ちょっと古くなりましたが、1日に載せた【高世仁のニュース・パンフォーカス】「パンデミックから見える風景」です。
 パンフォーカスとは、近景にも遠景にもピントが合うように撮影する方法。
 よろしく!

www.tsunagi-media.jp

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 「30万円支給」などの政府の支援策が、「線引き」や手続きがめんどうで使いにくいと不満の声があがっている。テレビで解説する人が、「わかりにくい制度ですね」とあきれているくらいだ。
 「役所で相談してください」と政府は言うが、窓口に殺到して対面相談が増えれば、コロナ感染リスクも増える。いまの政府のやり方は、感染対策の上でも愚策だと思う。

 その一方で、いまある制度の拡大運用で当面をしのげるようにと、藤田孝典さん(生活困窮者支援ソーシャルワーカーNPO法人ほっとプラス理事)が、「生活福祉資金の特例貸付、住居確保給付金、生活保護制度の受給要件緩和と一時的な特例運用を早急に検討すべき」と主張していた。
 すると7日、厚労省生活保護制度の事実上の適用緩和を打ち出した。
https://www.mhlw.go.jp/content/000619973.pdf

 《生活保護の申請相談にあたっては、保護の申請意思を確認した上で、申請の意思がある方に対しては、生活保護の要否判定に直接必要な情報のみ聴取することとし、その他の保護の決定実施及び援助方針の策定に必要な情報については、後日電話等により聴取する等、面接時間が長時間にならないよう工夫されたい。(略)
 面接時の適切な対応(保護の申請権が侵害されないことはもとより、侵害していると疑われるような行為も厳に慎むべきこと等)、速やかな保護決定等については、引き続き特に留意されたい》
 自家用車を持っていてもOKなどとも書いてある。
 申請時の相談や訪問調査が簡素化されるので、福祉事務所の感染リスクも減らせる。

 また家賃補助の拡充も決まった。
 「収入減少世帯にも家賃補助制度が拡充 家賃を給付してくれる住居確保給付金の対象範囲拡大が決定!」(藤田孝典)

news.yahoo.co.jp


 いま藤田さんはじめ様々な人が政府に緊急対策を迫る中で、緩和策が進んできている。政府はこういう役に立つ情報をもっと広めてほしい。

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 藤田さんのツイッターには、暮らしに困った人がすぐに使える情報が紹介されているので、関心ある方はどうぞ。
https://twitter.com/fujitatakanori