ある研究者に会いに、法政大学の多摩キャンパスに行った。
中央線西八王子寺駅からバスで20分超。キャンパスは山の中にある。赤く染まった木々の下を歩いて今年初めての紅葉狩りとなった。
石碑があった。平和記念碑とある。学徒出陣で法政大学から約3000名の学生が戦場に向かい、このうち612名が還らぬ人となったという。
碑には以下の言葉が;
多くの学生が道なかばにして
軍や工場に動員され
学園と学問を放棄せざるをえない
不幸な時代があった
50年前のことである
君たちは決して
そのような青春を送ってはならない
1990年8月 法政大学経済学部同窓会
静かな山中にあるからか、この平易な文章に素直にうなづけた。
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香港の区議選。全452議席中、民主派が390議席(メディアによっては385議席)を占め8割超を獲得した。まさに地滑り的勝利。民主派が伸びるだろうとは思っていたが、ここまでの一方的な結果になるとは・・
今回は反政府抗議デモに対する林鄭月娥行政長官や警察の対応について市民の意見を問う選挙だった。極限すれば警察とデモ隊のどちらを支持するか注目すべきは、投票率が47%から71.2%へと大きく伸びて過去最高になったこと。きのうはどの投票所も長蛇の列で2時間待ちのところもあったとか。これまで投票しなかった若者が、政府=中国共産党にNOを突き付けたいと積極的に参加したと見られる。
それでも民主派は喜んでばかりはいない。多くの日本メディアが周庭さんを取材していたが、どのインタビューでも笑顔はなかった。
News23では「香港市民にとって、今日は決してお祝いする日ではない。ゴールを達成するようもっともっと闘わないといけない」とコメントしていた。
今後の展開は予断を許さない。
民主派はこれに勢いを得て街頭活動を強めるだろう。これに香港政府はどう対応するか。行政長官はウェブサイトに出した声明で「香港製畏怖は、人々の意見に謙虚に耳を傾け、真剣に熟考する」(The HKSAR Government will listen to the opinions of members of the public humbly and seriously reflect.)と述べたが今の強硬なデモ規制を緩めるかどうか。
「覆面禁止法」の違憲判決や今回の親中派の敗北でますます危機感をもった中央政府が、事態を根本から変えようと、一気に介入してくる可能性も否定できない。
多くの犠牲者を出さないためには、とにかく国際社会がずっと関心を持ち続けていることが重要だと思う。ウイグル、チベットも忘れずに。