金正恩の母の正体は最高機密

takase222011-12-28

26日の月曜日は朝からオフィスの大掃除、そして夜は忘年会だった。
忘年会を締めくくったのは、軍事ジャーナリストの加藤健二郎さんによるバグパイプの演奏だ。バグパイプが発する音のボリュームはすさまじく、体がビリビリ震えてきそうだ。
今年も何とか年を越すことができたなあ、と感慨深い。
加藤健二郎さんは、チェチェンコソボ中南米イラクなど非常に危険な戦場を渡り歩いてきた戦場カメラマンでもある。
弊社も加藤さんにイランからイラクへの潜入を依頼したり、いろいろお世話になっている。
著書には『戦場のハローワーク』『戦場へのパスポート』『戦場の現在(いま)』など戦場もののほか、『ホントに強いぞ自衛隊!』『意外と強いぞ自衛隊!』など自衛隊ものも多い。
東長崎機関」という怪しげなグループを率いており、アフガンで拘束された常岡さんなどもこの一派である。
http://www.higashi-nagasaki.com/
近年はバグパイプ演奏活動ばかりになっているが、ちょっと寂しいなあ。
・・・・・・・・
きょう28日は平壌金正日の葬儀が行なわれた。
泣き叫ぶ国民の姿が映像で流れたが、どうみても演技である。
動員された俳優と思われる人々もいる。知り合いの脱北者が、94年の金日成の葬儀では、涙を流してないと批判されるから、ツバで目につけて必死に悲しい顔をしたと語っていた。
金正恩に「21世紀の太陽」「最高司令官」など呼称の格上げが進んでいる。後者の呼称などは、しかるべき会議、手続きが必要なはずだが、あの体制では、そんなのはどうでもいいのだ。
ところで、北朝鮮指導部は、この偉大な後継者の素性を隠蔽する方針を決めたという内部情報がある。母親が在日である事実を最高機密にするという。
北朝鮮では、国民を出身「成分」で51種類に分け、それらを核心階層、動揺階層、敵対階層に分類する。核心階層には労働党員、貧農などが、そして敵対階層には地主や資本家などがはいる。日本から北朝鮮に渡った在日は動揺階層で、「成分」は良くないのだ。
革命を率いる指導者同志の出身は、穢れのない純粋な核心階層でなければならない。
《内部情報は、北朝鮮民主化に取り組むNPO「救え!北朝鮮の民衆/緊急行動ネットワーク」(RENK)が党中枢部から入手した。党中枢が金総書記死去後、正恩新体制出帆に向けて正恩氏をどう奉っていくかを協議する中で、方針が打ち出されたという》(産経24日)
ジョンウンの母親、つまり金正日の妻は、高英姫(コ・ヨンヒ)といい、その正体は長く謎だった。10年ほど前だったと記憶しているが、父親はプロレスラーだという説が出回った。今年、それははっきり否定され、真相が明らかになった。
《デイリーNKは今年5月31日の記事でコ・ヨンヒが、それまで伝えられていたプロレスラー高太文(コ・テムン)の娘、高春行(コ・チュネン)ではなく、在日帰国者であるコ・ギョンテク氏の娘であると明らかにしたが、その後、日本当局の公式記録からコ・ヨンヒの家族関係や生年月日なども明らかになった。
■コ・ヨンヒ:1952年6月26日生
■1962年帰国
■日本の登録名:コ・フィフン
コ・ヨンヒの誕生日については「1950年6月16日」や「1953年生まれ」など様々な説があったが、日本の公式記録や帰国者名簿から1952年6月26日であることがわかった。北朝鮮に帰国したコ・ヨンヒは、名前をコ・フィフンからコ・ヨンジャと変え万寿台芸術団に入団し1973年7月から9月にかけて日本で公演をしている。日本公演に先立って日本風「ヨンジャ」から「ヨンヒ」へ名前を変え、その後はコ・ヨンヒという名前で金正日の妻となり正哲と正恩、そしてヨジョンを産んだ。
(※「〜ジャ=〜子」は日本風の名前であることから金日成の指示によって当時帰国者の多くが名前を変えさせられた)
コ・ヨンヒの妹であるコ・ヨンスクは米国へ亡命しているが、1973年に発刊された朝鮮総連の写真宣伝誌「朝鮮画報」には彼女の写真が掲載されている。この写真と料理人藤本健二氏が1995年に撮影したコ・ヨンスク氏(一番下の写真)は同一人物と見て間違いないだろう。1973年の「朝鮮画報」の写真を直接藤本氏に見せたところこう言った。
「イモニン(藤本氏はコ・ヨンスクをイモニンと呼んでいた)に100%間違いない」
北朝鮮と日本の公式記録によって明らかになったコ・ヨンヒだが、今後の金正恩の偶像化過程で彼女が在日出身であるという出自を北朝鮮当局は隠す可能性もある。しかし、彼女が在日帰国者であることは多くの在日に知れ渡っていることから、偶像化作業は極めて困難になることが予想されるだろう》http://japan.dailynk.com/japanese/read.php?cataId=nk00100&num=15387
革命の血統で続く体制において、これは後継者の正統性にかかわる大問題である。
注目しよう。