日本にもある無名戦士の墓

takase222013-08-16

今朝は、千鳥ヶ淵戦没者墓苑に参拝してきた。
靖国神社はメディアに取り上げられるが、ここ千鳥ヶ淵はマイナーで、全然ニュースにならない。しかし、れっきとした公的施設である。
きのう、安倍首相はすぐそばの靖国神社には行かずにここに参拝している。また、社民党福島瑞穂議員、さらには山本太郎議員も参拝したという。天皇皇后両陛下からの献花がまだ瑞々しく飾られていた。
入口に【千鳥ヶ淵戦没者墓苑 Chidorigafuchi National Cemetary】とあり、
千鳥ヶ淵戦没者墓苑は、先の大戦において
海外で亡くなられた戦没者の御遺骨を納めるため、
昭和34年、国により建設された
「無名戦没者の墓」です。》との説明書きがある。
先の大戦」というのは「大東亜戦争」のことで、1941年12月12日マレー作戦、真珠湾攻撃の直後に東條内閣が「支那事変ヲモ含メ大東亜戦争ト呼称」することに決めた。だから、昭和12年(1937年)の盧溝橋事件以降の戦没者が対象である。
軍人だけでなく民間人の犠牲者も含まれる。
先の大戦に際し、海外の戦場で戦没された方々は、軍人・軍属で約210万人それに戦火に巻き込まれて死亡した一般邦人約30万人で、合わせて約240万人と言われております》と苑内の説明書きにあるが、このうち、引き取り手がなかったり、氏名の特定ができずに遺族に渡せなかった遺骨約36万柱を納めてある。
私にとってここは特別な場所だ。フィリピンで日本兵の遺骨数百柱が埋められている場所を発見し、遺骨回収に協力したことがあり、それらの遺骨がここに納められているのだ。
http://d.hatena.ne.jp/takase22/20080910
日本の首相が外国を公式訪問するとき、よく無名戦士の墓を訪問し献花する。例えば米国を訪問する際には、アーリントン墓地の無名戦士の墓を訪れる。
実は私、昔「日本にも無名戦士の墓があればいいのに」と思っていたのだが、千鳥ヶ淵戦没者墓苑こそ日本の「無名戦士の墓」である。
もっとも、アーリントンの場合は、代表として一柱だけを祀っているのに対して、千鳥ヶ淵はおよそ35万柱を納める納骨堂になっている点が違っているが。
静寂で厳かな空間で、私はここが好きである。変に思われるかもしれないが、ここにくると元気になる。
緑に囲まれ、セミが激しく鳴く苑内で、異国で死んでいった数え切れない人々のことを思うと、自分の周りの小状況での悩みなどどうでもいいと思えてくるのだ。
いつもは、閑散としている千鳥ヶ淵戦没者墓苑だが、きょうはさずがに献花する人が途切れずに続いていた。菊の花が用意されていて、誰でも献花できる。私も1本白い菊をお供えした。若い人が意外に多い。写真のような家族連れも見かけた。
靖国神社の参拝者が毎年600万人に対して、ここはわずか10万人。もっと知られて多くの人に参拝してほしいと思う。