北朝鮮を人権で追い詰めろ 続

14日の集会が6団体の共同集会にしようと提案したのは、特定失踪者問題調査会の荒木和博さんだという。その荒木さんがブログでこう書いている。
《最後のセッションの宋允復・守る会及びNO FENCE事務局長の「外国では日本は拉致しかやらないように思われている。十分に理解していない人が少なくないのでもっとしっかりと知らせていくべきではないか」という趣旨の発言は、自分としても非常に頷けるものでした。
 北朝鮮は言うまでもなく「日本は拉致問題を取り上げるが、自分たちも戦前多数の朝鮮人を強制連行しているではないか」と言い続けています。拉致はでっち上げと言えなくなった今ではなおのことそれを強調します。そして、最近ではヒル国務次官補も同様のことを言ったとか。今後6者協議の他の参加国でも日本が拉致問題を取り上げるのを押さえようとすればこの論理を使ってくるでしょう。
 そのときに、「これはこういう事実があって北朝鮮の主張は嘘である」という反論も必要ですが、いくらでも嘘はつけるのですから、延々とそれに対する反論をやっていればモグラたたきのようになってしまってこちらが消耗するだけです。
 これを乗り越えるのは「日本は単に自国民を助けようとするだけではなく、普遍的人権問題に積極的に取り組むのである」という姿勢を国際的にアピールすることだと思います。その意味で政治犯収容所の問題や脱北者の問題に日本人の関心が高まることは、回り回って拉致問題の解決に大きな効果を挙げるものと思います。
 さらにこの活動を続けていくことは拉致被害者に関わる情報を収集することにもつながり、もちろん北朝鮮の体制を弱め、民主化にもっていくことによって拉致被害者救出への糸口を作っていくことができます。「日本は拉致問題ばかり出して北朝鮮を敵視する」というのは日本の中の数少ない親北分子の常套句ですが、「いや、北朝鮮の民衆も救う視点からもこの活動が必要なのだ。お前は北朝鮮の人々を苦しめている金正日独裁体制を擁護するのか」と言うことができます。北朝鮮に対しても逃げ道を塞ぐことになるでしょう。》
http://araki.way-nifty.com/
この認識がもっと浸透していけばよい。特に拉致問題にかかわる団体、政府機関の人に広まってほしいものだ。そうすれば、日本は北朝鮮の人権に関するフロントランナーになれるだろう。それは同時に日本の国益になることなのだと思う。
『収容所で生まれた僕は愛を知らない』http://www.amazon.co.jp/%E5%8F%8E%E5%AE%B9%E6%89%80%E3%81%AB%E7%94%9F%E3%81%BE%E3%82%8C%E3%81%9F%E5%83%95%E3%81%AF%E6%84%9B%E3%82%92%E7%9F%A5%E3%82%89%E3%81%AA%E3%81%84-%E7%94%B3-%E6%9D%B1%E8%B5%AB/dp/4584130612という本が衝撃を広げている。著者の申東赫(シンドンヒョク)氏はアメリカを訪問したが、彼を取り上げた長い記事をワシントン・ポストが先週出した。つづいて15日(月)には「3粒のトウモロコシ」と題する社説を掲載し、世界の無関心を糾弾している。
《集中収容所というものは歴史書の中にしかないと思いがちだが、シンドンヒョクの話はそれよりもっと酷い真実を教えてくれる。26歳のシンは、北朝鮮の収容所で生まれ、そこで05年に脱走するまでくらした。彼は15万から20万人がいると推定される国家の収容所から脱出に成功した、知られる限り唯一の人である。》とはじまり、こう言う。
収容所の実態は信じられないほど残酷で恐ろしいが、《もう一つ、別の意味で恐ろしいことがある。韓国で彼の本を購入した人が500人しかいないということだ。韓国人の多くは、北朝鮮の人権侵害について聞きたくないのだ。共産主義体制が崩壊して、その復興が豊かな韓国にとって金のかかる重荷となることを心配している。恐怖から目をそむけるのは韓国だけではない。アメリカは北朝鮮の核の野望を封じ込めることの方により大きな関心をもっている。》そして最後にこう締めくくっている。
アメリカの高校生たちは、ルーズベルト大統領が、なぜヒトラーの収容所へと続く線路を爆撃しなかったのかと議論している。一世代後の、その子どもたちは、西側諸国が金正日の収容所を衛星写真で(昔より)はるかに明瞭に見ていながら、何もしなかったのはなぜかと聞くだろう。》http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2008/12/14/AR2008121401782.html
私たちも後世の日本人たちからこんなふうに言われないようにしなくては。
下記ホームページ(ネットライブ)で12月14日集会の様子を見ることができるのでご覧ください。
http://www.netlive.ne.jp/archive/event/081214.html
アジア人道人権学会ホームページにも報告があります。
http://d.hatena.ne.jp/asiajj/