横田めぐみさんの「歯」をめぐる怪奇

 トランプ前米大統領(77)に有罪評決。

 不倫関係にあった元ポルノ女優に支払った口止め料を弁護士費用として不正に処理した罪に問われている事件で、ニューヨーク州地裁の陪審は30日、34の罪状すべてで有罪評決を下した。有罪か無罪かの評決には、陪審員12人の全員一致が必要。この評決がすんなり決まったのは、それだけ証拠がはっきりしていたからだろう。誰が見ても「有罪」ということだ。

 米大統領経験者への有罪評決は初めて。有罪評決を受けての判決言い渡しは7月11日に予定されている。
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 きのう30日、東京都内で「救う会北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会)東京連続集会」が開かれた。そこでは、ある新聞記事が大きく取り上げられ、西岡力会長が長時間にわたってこれを批判した。

 それは5月15日の毎日新聞夕刊の「特集ワイド」で、「取材22年 日テレ記者の悔恨と「極秘情報」/「拉致3原則」見直しを/政府方針にメディア迎合」の見出しの記事。これは本ブログで紹介した日テレの福澤真由美さんをインタビューした記事だ。

takase.hatenablog.jp


 福澤真由美さん拉致問題取材の第一人者で数々のスクープを掘り起こしてきた。記事では、拉致問題に関する政府方針が触れてはいけないタブーとなってきたことへの「忸怩たる思い」を吐露し、「拉致3原則」を公然と批判している。記者は内心、政府方針を疑問に思っていても政府や家族会への忖度、会社や上司の意向もあって記事にはできない。だからこのインタビューはある意味勇気ある「カミングアウト」だ。

 拉致3原則とは「安倍3原則」とも呼ばれ、①拉致問題は我が国の最重要課題、②拉致問題の解決なくして国交正常化はない、③被害者は全員生存しており、即時一括帰国を求める、である。

5月15日毎日新聞夕刊「特集ワイド」

 福澤さんは「メディアも『政治』と一体になって、国民に向けて3原則を『定説化』するような報道をしてきたのではないか」、「たとえ『政治』にとって不都合な情報でも、きちんと目を向けるべきではないか」、さらに「3原則を掲げたままでは交渉にすら至らないことは、この(小泉訪朝から)22年という時間が証明して」いると語る。

 また記事には、福澤さんが「覚悟を決めて」明かした複数の衝撃的な「極秘情報」が紹介されている。救う会の西岡会長が取り上げたのは、横田めぐみさんの「歯」をめぐる情報だ。

 「04年に北朝鮮を訪れた藪中三十二・外務省アジア大洋州局長(当時)率いる調査団が持ち帰った横田めぐみさんのものとされる焼かれた『遺骨』の骨つぼには、本人のものとみられる歯があった、という情報です。調査団のあるメンバーが06年7月に証言しました」

 「この時、『遺骨』とともに、北朝鮮当局からめぐみさんのものとされる分厚いカルテも渡されていたんです。証言したメンバーはカルテの翻訳も担当した人ですが、『歯はカルテのデータとも符合する。めぐみさん本人の歯のようだ』『警察はなぜかこの情報を極秘にしている』とも話しています」(福澤さんのコメント)

 西岡会長はこれを取り上げ、「歯」の存在については「私も知っている」と驚くべき発言をした。福澤さんの情報を否定するかと思いきや、逆に事実だと裏付ける「証言」をしたのである。

www.youtube.com

 Youtubeの1時間12分以下。

 「いろいろ聞いてみたんですけど、早紀江さんに電話したら、『歯があったことは最初から聞いてました』と。『でも、それは死亡の証拠と何の関係もないので、あらためて説明したいと言われましたけどいらないと言ったんです。めぐみは虫歯がたくさん多かったですからね』と」

 「私もいろいろ取材しましたが、まず、歯が入っていたのはどうも事実のようです。入ってていいわけですね。それはめぐみさんのものだと断定出来るような情報はない。めぐみさんは虫歯が多かったから、出てきたカルテと称するものに歯の治療のカルテもあったんです。早紀江さんは、『それはそうでしょう』と、『日本にいたときから虫歯がたくさんありました』と。虫歯の治療で、もしか抜いた歯が1本入ってたとしたって、いつの間にか遺骨の中に歯が入ってたというだけのことで、死んだとという証拠にもまったくならないし、その歯がめぐみさんのものだと証明されてないと、私は取材では聞きました」

 「私も知らなかったんで、ああそんなことあるのかと思ったんですけど、早紀江さんは当初から聞いてましたと・・」

 「歯が入ってたことが事実だということは私も取材で知りましたし、早紀江さんもそのことを聞いてたと。しかし、それは死亡の証拠とは全く関係ないし、あたかも極秘情報のように言うこと自体おかしい」

 めぐみさんの歯が「遺骨」の骨つぼに入っていることを早紀江さんは当初から知っていた、カルテの存在も知っている、極秘情報ではない、というのである。

 ただ、西岡会長が独自に得た情報なのか、毎日新聞の記事が出てから早紀江さんに電話して知ったのか、そのあたりはあいまいだが、「私も知らなかったんで」「早紀江さんに電話したら」という言い方からは、記事が出てから早紀江さんに聞いたようだ。

 すごい話だな、と驚いていたら、今朝早朝、西岡会長がきのうの発言を取り消すと緊急のお知らせが・・・。またまたびっくり。

 Youtubeも見られなくなっている。

 いったいどうなってるの??

(つづく)