旅券返納命令取り消しを求めて国を提訴

 きょう、ジャーナリストの常岡浩介さんが、旅券返納命令の取り消しを求めて国を訴えた。NHKも伝えている。

 《紛争地帯での取材に取り組むフリージャーナリストの常岡浩介さんが、ことし2月に内戦が続く中東のイエメンに向けて出国しようとした際、外務省からパスポートの返納を命じられたのは不当だとして、取り消しを求める訴えを起こしました。
 常岡浩介さんはことし2月、イエメンの食糧状況などを取材するため経由地のスーダンに出国しようとした際、羽田空港の出国審査で外務省からパスポートの返納を命じられ、出国できませんでした。
 このため、海外での取材活動ができず仕事ができない状態だとして、パスポートの返納命令の取り消しと、国に470万円余りの賠償を求める訴えを東京地方裁判所に起こしました。》(NHKhttps://www3.nhk.or.jp/news/html/20190424/k10011895261000.html

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常岡さん(中)と田島さん(左)、清水弁護士(右)


 J-CASTニュースでは;

 《常岡さんは、「人道危機の現場に関するニュースの絶対量が世界主要国に比べて、(日本では)極端に少ないということはご存知ではないかと思う」と強調。ニュースの量が少なくなり、状況の悪化を感じているといい、「これをそのまま放置していきますと日本人、日本政府どちらにしても、世界の状況を見る視野を完全に失ってしまうのではないかと危惧している。今回の裁判は、わたくし自身の利益のためというより、日本が世界を見る視野を失おうとしている現状に少しでもブレーキをかけたい」と提訴への思いを語った。》(J-CASTニュースhttps://www.j-cast.com/2019/04/24356208.html?p=all

 私は事件発生直後から関わっていた。

takase.hatenablog.jp


 きょう、提訴とともに「ジャーナリストへの旅券返納命令の撤回と渡航・取材の自由の確保を求める表現・メディア関係有志アピール」が出され、私も3人の世話人の一人に名を連ねることに。

 いくら危険地に行ったり、強制送還されたりしても、組織ジャーナリストには返納命令が出されない。(政府の気に入らない)フリーランスが狙い撃ちされたのだ。こういう野蛮なことをやる国は世界から尊敬されなくなる。

 裁判に注目している。

 ちなみに、代理人の清水勉弁護士は、医師・ジャーナリストの村中璃子さんを、子宮頸がんワクチン問題の報道をめぐって訴えた池田修氏の代理人でもある。敗訴した村中さんを応援している私としては複雑な思いもあったが、国賠訴訟では知られた弁護士である。https://takase.hatenablog.jp/entry/2019/04/13/
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 先日お知らせしたジャーナリスト樫田秀樹さんのリニア計画取材のためのクラウドファンディングが始まった。
 「報道が少ないリニア計画の真実を伝えるため取材費用を募ります。」
https://readyfor.jp/projects/linear

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