毎日通勤途上で見上げるニコライ堂(東京復活大聖堂教会)と銀杏と青空。
急に寒くなって、寒冷ジンマシンが出始めた。
雪国生まれのくせに、寒さにはめっぽう弱く、手の指先には、もう“あかぎれ”の兆候が・・。トウガラシチンキの入った軟膏を買わなくては。
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明日12月10日から、いよいよ、特定秘密保護法が施行される。
6日の土曜日、《「イスラム国」、公安「捜査」、秘密保護法について語ろう》という集会に行ってきた。
「私戦予備・陰謀罪」の「参考人」から「被疑者」に格上げされたジャーナリスト常岡浩介さんがメインのスピーカーで、これまでの経緯と問題点、今後の闘う決意を披露。
北海道警察の元幹部で、警察の裏金事情を暴露した原田宏二さんが公安の体質の異常さを話したあと、清水勉弁護士の司会で、ジャーナリストの青木理さんをまじえてシンポジウムがあった。
(原田さんは以前、サンプロで取材させていただいたhttp://d.hatena.ne.jp/takase22/20080302)
https://www.youtube.com/watch?v=-2UkAyywoEY&feature=youtu.be
https://www.youtube.com/watch?v=yT-ScEAp5z4
「私戦予備・陰謀罪」という条文は130年も前の法律だ。
《起源は1880(明治13)年にできた旧刑法にさかのぼる。当時は国の交戦権が認められており、旧刑法は国の戦争以外の私的な戦闘行為(私戦)を禁止。準備にとどまった場合は減刑するとしていた。現行法(1907年)に改正する際、「国内で私人が外国と戦争するのは想像できない」と議論になり、準備だけを禁ずる条文になった》(前田雅英教授(刑法)、朝日新聞10月17日)
薩英戦争(1863年)や長州藩と英米仏蘭が戦った馬関戦争(1964年)、西郷隆盛による朝鮮出兵の画策など、政府以外の勢力が日本から外国を攻撃するのは国家利益に反するという趣旨で設けられた規定だから、組織的なリクルートなどが前提になる。どうせ自殺する身だからとイスラム国行きを希望した北大生に適用できるはずもないこと、公安は、常岡さんの取材の妨害をして見せしめにし、同時に最高の宣伝材料にしたことなどが語られた。
マスメディアは、むしろイスラム国に日本人が志願する大変な時代になったから気をつけなくては、という論調で、「私戦予備・陰謀罪」を適用したこと自体をまったく批判していないことが大問題だとも指摘された。
いま問題になっている百田尚樹『殉愛』出版差し止め訴訟に興味があって、やしきたかじんの娘の「独占初激白」が載っている『週刊朝日』(12月19日号)を買ったら、作家の森絵都が秘密保護法について語っていた。とてもシンプルで説得的だったので紹介したい。
彼女は東日本大震災の2か月半後、原発20キロ圏内の警戒区域に入って取材。ノンフィクション『おいで、一緒に行こう』、絵本『希望の牧場』を出した。
その経験から、森絵都はこう言う。
《特定秘密保護法が施行されれば、今後の成り行き次第で、このような自由な取材ができなくなるのではないかというリアルな危機感があります。「秘密」の範囲がよくわからず、時の政権によってどう運用されるのかもわからないので。
もうひとつの心配は、取材に協力してくれた人にも罪が及ぶ法律であるということです。これは取材する側にとっても、相手に迷惑を及ぼしてまで取材をすべきなのかという心の縛りとなりかねないと思います。
日本人は政府が決めたことを生真面目に守りがちです。それはメディアも同じです。原発から20キロ圏内への立ち入りに規制がかかったとき、私たちは中へ進みましたが、メディアは一斉に立ち止まっていました。
20キロとは、明確な理由も示されないまま政府によって決められたラインです。あんなに従順に従っていては、特定秘密保護法にあらがえないのではないでしょうか。・・・》
南相馬市の桜井市長から、原発事故後、日本のマスコミが一斉に逃げたと叱られたことを思い出した。http://d.hatena.ne.jp/takase22/20111013
日本のマスコミ、たしかにお上に従順だよなあ。
(つづく)