街頭インタビューがいらない理由

takase222015-03-20

先週からトラブルとチャンスが交互に来て、はらはら、どきどきの日々。
資金繰りはタイトだが何とかがんばろう。
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きょうは、GALAC(ぎゃらく)という雑誌の座談会に呼ばれて新宿へ。
この雑誌は、ギャラクシー賞を出しているNPO放送批評懇談会が発行するテレビとラジオの批評誌だ。
http://www.houkon.jp/galac/
座談会のテーマは「イスラム国」の日本人人質事件とテレビについてで、出席したのは共同通信の原田浩司、フリーでアフガンの米軍従軍取材で知られる横田徹、イラク戦争から現地を取材しつづける綿井健陽の各氏。
私は、ジャーナリスト常岡浩介さんの私戦予備陰謀容疑でのガサ入れへの対応、常岡さんのテレビ出演時の政府批判封じ込め、旅券返納命令への屈服などの例をあげて、日本のテレビ局の姿勢はひどすぎると批判したが・・・仕事を干されてしまうかも。
6月号に掲載予定なので、関心ある方は書店でごらんください。

座談会のあと、司会の水島宏明さんも交えて近くの「塚田農場」で飲んだ。
(写真:店員がサービスで「戦場飲み!?」と描いた皿に寒天を乗っけてきた)
水島さんは、かつて日本テレビ系の札幌テレビ(STV)の社員で、ロンドン、ベルリンの特派員やNTVで解説員までつとめ、2013年に退社して今は法政大学でジャーナリズムを教えている。

5人でワイワイやっているうち、今のテレビ局、おかしいんじゃないか、という話題になった。

そこで、先日、某テレビ局のあるニュース番組のスタッフに聞いた驚くべき話を披露した。
去年7月1日、安倍内閣集団的自衛権行使容認を決めた日のこと。
いつものように、30人のスタッフを集めて打ち合わせがあった。
そこで番組の責任者が「きょうは『街録』(街頭録音)はやらなくていい」と言ったという。
消費税が増税されるとか、原発の再稼働が認可されたとか、重要な政策転換があれば、街頭インタビューで街の声を拾って放送するのは「定番」だから、これは異例の指示だった。
一人のスタッフが質問した。
「今日こそ街録が必要なんじゃないですか、なんでやらないんですか」。
その責任者が放った答えはこうだ。
「おれたち共産党じゃないよな」
さらに、「街録で答えたヤツが共産党員でないか、証明できるのか?」
その場にいたスタッフは沈黙したまま打ち合わせは終り、その日、集団的自衛権行使容認のニュースに、街録は流れなかったという。
(つづく)