番組放送案内です。
「トルコ空港テロ事件の首謀者を追え!」
あさって9月11日(日)18:54~20;54 BS朝日「いま世界は」で、ジャーナリスト常岡浩介さんの独自取材を放送します。以下、弊社の番組案内から。
《6月28日(現地時間)のトルコ空港テロは、40人近い人が犠牲になり3人の犯人が自爆。犯人は3人ともロシアの旅券を持っており、その首謀者はチャターエフというチェチェン出身者の「イスラム国」幹部だと報じられた。彼は欧州にいた難民だという。
ソ連崩壊後、独立運動が巻き起こったチェチェンは、ロシアの激しい弾圧の結果、総人口の4分の1が死亡するという事態に。その結果、多くの人々が主に欧州に脱出し、2000年代初頭、チェチェンは世界最大の難民供給地となった。オーストリアはチェチェン難民を最も多く受け容れ、今ではおよそ4万人のチェチェン難民がいるという。
チャターエフとはいかなる人物なのか。
チェチェン問題を長く取材し、「イスラム国」への潜入取材をはたしたジャーナリスト、常岡浩介が、彼の影を追って欧州に飛んだ。ウィーンで取材を続ける中、本人を知る複数の人物に遭遇し、未公表の貴重な写真も入手。そして、ついにチャターエフの自宅を突き止めることに成功した。》
(写真は2007年ポーランドで撮影されたチャターエフの姿。右腕がない。今回常岡氏が独自入手した)
この取材、世界的にはそれなりのスクープで、いろいろセールスしたのだが、地上波では「日本から遠い」「チェチェンは分かりにくい」との理由で放送してもらえなかった。たしかにチェチェン問題は、欧州の人たちには身近だが、日本の多くの人にはピンとこないだろう。深刻だが「遠い」テーマをどう売り込むかはいつも悩まされるところだ。
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観なくては、と思う番組がいろいろある。
5日(月)夜、「100分de名著」(ETV)で石牟礼道子『苦界浄土』を扱っていたので録画。1970年の大宅壮一ノンフィクション賞に選ばれるも著者が受賞を拒否したエピソードのある名作だ。楽しみである。きょう、NHKテキストも買った。
ちょうど日曜日、出たばかりの『苦海浄土 全三部』を買ったばかりだった。
治療で帰国している森本喜久男さん(カンボジアで織物の伝統を復興した人http://d.hatena.ne.jp/takase22/20160520)と会う用事があって京都に行き、ついでに左京区の恵文社一乗寺店を訪れた。http://www.keibunsha-store.com/
面白い本屋だという評判は聞いていたが、実にユニークで行ってよかった。
(中もいい雰囲気だ)
本の並び方がふつうの本屋と全く違う。街歩きの本が並んでいるなと思って、辿っていくと、隣に哲学書があったりする。しかも、同じジャンルでも本の選択がいい。売れているけどつまらない本は置いていないのだ。30分ほどしかいなかったが、何冊も衝動買いすることになった。分厚い『苦海浄土 全三部』が目に入って、これも買ってしまう。
私は第一部しか読んでいない。最近、渡辺京二氏の著作を読み直しているが、その渡辺氏が、石牟礼文学を世界最高峰と激賞しているので、あらためてしっかり読もうと思ったのだ。『水はみどろの宮』と『椿の海の記』などを読んで不思議な衝撃を受けたが、この感性のベースにあるのは何なのか、考えてみたい。
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明日のETV特集「武器ではなく命の水を」はぜひみなさんにも観ていただきたい。アフガンで農業用水路づくりを続ける医師の中村哲氏の活動と思想のドキュメントだ。日本電波ニュース社の谷津賢二さんが何年にもわたってライフワークのように取材を続けている。
国が安定するにはまず、メシが食えなければ、というシンプルな道理を、文字通り命がけで追求してきた。
http://d.hatena.ne.jp/takase22/20090828
一度私もお会いしたことがあるのだが、自分の体、健康には全く無頓着なのが印象的だった。自分のために生きていない。利他の人であり、国の宝である。
http://d.hatena.ne.jp/takase22/20120804
以前、このブログで、中村医師が尊敬する5人の一人、ビクトール・フランクルの言葉を紹介したが、もう一度引用したい。
《しあわせは、けっして目標ではないし、目標であってもならないし、さらに目標であることもできません。それは結果にすぎないのです》http://d.hatena.ne.jp/takase22/20090908
現代の私たちの多くは、「自分のしあわせ」(だけ)を必死に追求するのだが、それは幸せをもたらすのだろうか。中村医師の姿は私たちの生き方をも問うてくるはずだ。