アメリカ―赤と青の分断

 9日、安田純平さんが日本外国特派員協会で会見にのぞんだ
https://news.nifty.com/article/domestic/government/12136-121839/
 安田さんからは、ごく短い挨拶があっただけですぐ質疑に入った。最初の質問が、「なぜ謝罪するのか。本当に謝罪をする必要があると思っているのか。歓迎されるべきではないか」というもの。おお、いきなり来たか。
 私の向かいの席にいたジャーナリストの江川紹子さんと目が合い、「外国人記者はやっぱり違うね」と笑った。
 最後の質問も厳しかった。「イラクで拘束されたフランス人(オブナさん)が解放された2004年12月、シラク大統領はバカンスを切り上げて、ラファラン首相と2人で空港で歓迎した。安田さんの歓迎されたエピソードを聞かせてほしい」。
 これ、安田さんに言わせるのか・・安田さんは言葉を選びつつ、苦しげに答えていた。ごくろうさまです。
 これで2回の会見、連日の朝から深夜までの取材という嵐のような時期がそろそろ一段落した感じだ。これから安田さんは、これまでの自分の仕事、特に3年4ヵ月の拘束と本格的に向き合うことになるのではないだろうか。
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 米国では「赤と青の分断」が深刻になっているという。
 《「いま米国で保守とリベラルが一つ屋根の下で暮らすのは泣きたくなるほどむずかしい」。数年前、サンフランシスコ郊外に住む夫婦からそんな嘆きを聞いた。夫は警察官で筋金入りの保守派。妻は反戦が信条のリベラルな作家である。外食先で食べるのは、妻が有機野菜で夫はステーキ。休日に妻が美術館行きを提案すると、夫は釣りに誘う。犬をしつけるのに、しゃがんで全身をなでる妻と、どやしつけて服従させる夫。リベラルと保守とでは暮らしの趣向がかくも異なるものかと驚いた。(略)かつては互いに寛容さもあったのに、近年は嫌悪の情が前面に。ついに憎悪にまで至ったというのが米中間選挙を見ての偽らざる感想である。》
 分断が深刻になったのは、トランプが憎悪を煽ったことが大きい。トランプ型のリーダーがブラジルなど他の国にも出現しているようで、これから世界は紛争が多発することになるのではと心配だ。

 ところで、この保守とリベラルの違いだが、以前、このブログで、右翼と左翼の「統合」がいかにして可能か、などという問題を書いていたときに触れたことがある。
アメリカでは、生活スタイルや外見で支持政党がすぐ分かると言われる。
例えば、典型的な共和党支持者は;愛車はハマーやポルシェ、カントリー音楽を聞き、スポーツはロデオ、カーレース、男性はスーツに整えた短髪、女性は量感たっぷりの髪形、好物はフライドチキン、バーベキュー。
一方、民主党支持者は;プリウスボルボに乗り、音楽はジャズ、ラップ、好きなスポーツはテニスやサッカー、男性はカジュアル系の服に長髪で髭を生やし、女性はさらさら風の髪で、寿司や菜食を好んで食べる。》
http://d.hatena.ne.jp/takase22/20110121
 ちょっと前のスタイルだが、つまり、保守とリベラルは、単に政治という限られた分野の好みの問題ではなく、人格の基本的なレベルにまで根をもつということではないか。
 早慶戦のライバル感覚などとは全く異なる。
 7年前は、ここまで書いて、難しいところに差し掛かって「つづく」。そのまま(いつものように)ほったらかしにしたのだが、右と左の問題はもうちょっと追及してみたい。
(つづく)